金沢市外国人旅行者受入環境整備事業費補助金とは?
金沢市内で宿泊事業・観光事業・飲食店・商業施設を営む方向けに、外国人旅行者受入環境整備事業費補助金の対象事業者・補助対象経費・補助上限額・申請の流れを行政書士がわかりやすく解説します。
最終更新日: 2026.07.14|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)
どんな補助金?(制度の概要)
金沢市外国人旅行者受入環境整備事業費補助金は、金沢市内で宿泊事業者・観光事業者・飲食店・商業施設を営む民間事業者が、外国人旅行者を受け入れるための整備を行う費用の一部を金沢市が補助する制度です。多言語対応や無線LAN、クレジットカード決済など、増加する外国人旅行者が安心して市内観光を楽しめる環境づくりを後押しする狙いがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 金沢市外国人旅行者受入環境整備事業費補助金 |
| 実施機関 | 金沢市(観光政策課) |
| 補助対象事業者 | 宿泊事業者・観光事業者・飲食店・商業施設(金沢市内の民間事業者) |
| 補助上限額 | 20万円 |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2 |
| 受付期間 | 公式ページに具体的な期限の記載なし(事前に金沢市観光政策課へご確認ください) |
業種別の整備必須項目・選択項目
この補助金の特徴は、業種(宿泊事業者・観光事業者・飲食店・商業施設)ごとに「補助対象事業者となるための必須項目」と「選択できる項目」が異なる点です。必須項目をすでに整備している、またはこの補助金で整備することで、まず補助対象事業者としての要件を満たす必要があります。
| 補助対象項目 | 宿泊事業者 | 観光事業者 | 飲食店 | 商業施設 |
|---|---|---|---|---|
| 外国語表記 | 必須 | 必須 | 必須 | 必須 |
| 無線LAN | 必須 | 必須 | 選択 | 選択 |
| クレジットカード決済 | 必須 | 選択 | 必須 | 必須 |
| 外国語食事メニュー | 必須(食事提供施設のみ) | 選択 | 必須 | 対象外 |
| 外国人旅行者コミュニケーションシート | 選択 | 選択 | 必須 | 必須 |
| 外国語ホームページ | 必須 | 必須 | 必須 | 必須 |
| 免税店登録 | 選択 | 選択 | 対象外 | 必須 |
| トイレ洋式化 | 選択 | 選択 | 選択 | 選択 |
| パスポートリーダー | 選択 | 選択 | 選択 | 選択 |
| 多言語音声翻訳システム機器 | 選択 | 選択 | 選択 | 選択 |
食事を提供しない宿泊施設、または日替わりメニューのみを提供する宿泊施設は、外国語食事メニューの必須要件から除かれます。各項目の詳細な整備内容は、金沢市の制度概要(別表2)でご確認ください。
補助上限額・補助率
補助金額は、補助対象経費の合計額の1/2で、上限は20万円です。あわせて次の点にも注意してください。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の1/2 |
| 補助上限額 | 20万円 |
| 申請回数の上限 | 1事業者・1施設につき1年度あたり1回まで(複数施設を持つ場合は施設ごとに申請可能) |
| 対象となる整備のタイミング | 補助金交付決定後に着手した新規整備が対象。交付決定前に着手した整備、すでに完了している整備は対象外 |
| 交付決定までの目安 | 申請書類の提出から約2週間 |
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-07)
対象となる事業者・要件
補助対象となるのは、金沢市内に施設を有する宿泊事業者、観光事業者(見学・拝観・体験等を目的とした旅行者の受入れを行う施設等)、飲食店、商業施設その他これらに類する組織団体です。次の共通要件を満たす必要があります。
- •整備を行う施設が金沢市内にあること(申請者自身の住所・所在地は金沢市外でも対象になり得ます)
- •民間事業者であること(地方自治体から指定管理を受けている施設、第三セクターの施設は対象外です)
- •施設ごとに申請できますが、1施設につき申請できるのは1年度あたり1回までです
- •業種ごとに定められた必須項目(別表1)を、整備済み、またはこの補助金を含めた方法で整備完了見込みであること
宿泊事業者
旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の許可を受けて、同法第2条第2項または第3項の営業を行っている施設であることが要件とされています。この許可を受ける前に申請することはできません。
飲食店
食品衛生法(昭和22年法律第233号)第52条第1項の許可を受けていることが要件とされています。この許可を受ける前に申請することはできません。
商業施設等(免税店登録を対象にする場合)
免税店登録を補助対象経費に含める場合は、国税庁から輸出物品販売場の許可を受けていることに加え、観光庁に免税店シンボルマークの使用許可を得て掲示していることが要件とされています。
補助対象経費
補助対象となるのは、外国人旅行者の受入れを目的として新たに行う、次のような整備です。既存設備の修理・更新・増設に関する経費は、項目によって対象外となる場合があるため、詳細は制度概要(別表2)でご確認ください。
- •外国語表記:施設案内・利用案内等の製作費、工事請負費、翻訳費、印刷費、物品購入費(新規設置のみが対象)
- •無線LAN:ルーター等の物品購入費、工事請負費(新規設置のみが対象。既存設備の交換は対象外)
- •外国語食事メニュー:翻訳費、印刷費、製作費、物品購入費
- •外国人旅行者コミュニケーションシート:翻訳費、印刷費、製作費、物品購入費
- •外国語ホームページ:製作費、翻訳費、登録料(多言語対応の予約システムまたは問い合わせフォームの設置が必須)
- •免税店登録:工事請負費、物品購入費、翻訳費、製作費
- •クレジットカード決済:物品購入費、工事請負費(新規設置のみが対象)
- •トイレ洋式化:工事請負費、物品購入費(附属設備や既存洋式トイレの増設は対象外)
- •パスポートリーダー:物品購入費、工事請負費
- •ウェアラブル翻訳機・対面翻訳機等の多言語音声翻訳システム機器:物品購入費
- −人件費等の経常的な運営費、レンタル料、リース料、通信費、各種手数料
- −補助金交付決定前に着手した整備、すでに完了している整備
- −既存設備の修理・更新・増設に係る経費(項目ごとに扱いが異なります)
- −外国人旅行者の受入れを目的としたものと認められない整備
スケジュール
この補助金には、公式ページ・制度概要に具体的な受付期限の記載が見当たりませんでした(2026年7月確認時点)。申請から補助金の支給までの流れの目安は次のとおりです。
| 手続き | 時期の目安 |
|---|---|
| 補助金交付申請書の提出 | 金沢市観光政策課へ随時提出 |
| 審査・交付決定通知 | 申請書類の提出から約2週間 |
| 整備事業の実施 | 交付決定通知を受けた後に着手(交付決定前の着手は補助対象外) |
| 実績報告書の提出 | 整備事業終了後15日以内 |
| 審査・補助金交付額確定通知 | 実績報告書の提出後 |
| 補助金請求書の提出 | 交付額確定通知を受けた後 |
| 補助金の支給 | 請求書提出後、内容確認のうえ指定口座へ振込 |
申請の流れ
対象要件の確認・整備計画の検討
自社の業種(宿泊・観光・飲食・商業施設)に応じた必須項目(別表1)と、補助対象にしたい整備項目(別表2)を確認し、整備計画を立てます。必須項目をすでに整備済みの場合、その項目自体を今回の補助対象経費として申請することはできない点に注意してください。
見積り取得・申請書類の準備
補助対象経費の見積書や、業種に応じた許可証(宿泊事業者は旅館業法の許可、飲食店は食品衛生法の許可等)の写しなど、必要書類を準備します。
補助金交付申請書の提出
金沢市観光政策課へ交付申請書一式を提出します。
審査・交付決定通知の受領
市による審査を経て、交付決定通知が送付されます(申請から約2週間が目安)。この通知を受け取る前に整備に着手すると補助対象外になるため注意が必要です。
整備事業の実施
交付決定後に、無線LAN整備や多言語対応、洋式トイレ化等の整備を実施します。
実績報告書の提出
整備事業が終了してから15日以内に、実績報告書と証拠書類(写真、請求書・領収書の写し等)を提出します。
審査・補助金交付額確定通知の受領
市が実績を審査し、適正と認められれば交付額確定通知が送付されます。
補助金請求書の提出・入金
確定通知を受けて請求書を提出すると、内容確認のうえ指定口座に補助金が振り込まれます。
申請前に押さえたいポイント
「必須項目を整備済み」=「補助対象になる」ではない
業種ごとの必須項目(別表1)は、すでに整備済みであれば補助対象事業者としての要件を満たしますが、その整備自体を今回の補助対象経費として申請することはできません。補助対象になるのは、交付決定後に新たに着手する整備に限られます。
着工のタイミングを誤らない
補助金交付決定前に着手した整備は、原則として補助対象になりません。見積り取得や整備計画の準備は事前に進められますが、発注・着工は必ず交付決定通知を受け取ってからにする必要があります。
業種によっては許可の先行取得が必須
宿泊事業者は旅館業法の許可、飲食店は食品衛生法の許可を受けていることが対象事業者の要件です。許可取得前の申請はできないため、開業準備中の場合はスケジュールに注意してください。
新規設置が原則。既存設備の更新・修理は対象外が多い
無線LANやクレジットカード決済端末など多くの項目で、新規設置のみが対象とされ、既存設備の交換・修理・増設は対象外とされています。整備を検討する際は、対象になる工事内容かどうかを事前に確認することをおすすめします。
注意点
- •補助金交付決定前に着手した整備は補助対象になりません。必ず交付決定通知を受け取ってから着手してください。
- •業種ごとの必須項目(別表1)は、すでに整備済みであれば事業者としての対象要件は満たせますが、その整備自体をこの補助金の対象経費として申請することはできません。
- •人件費等の経常的な運営費、レンタル料、リース料、通信費、各種手数料は対象外です。
- •1事業者・1施設につき、申請できるのは1年度あたり1回までです。
- •地方自治体から指定管理を受けている施設、第三セクターの施設は対象外です。
- •本記事は令和8年度(2026年度)版の「金沢市外国人旅行者受入環境整備事業費補助金制度の概要」および「金沢市外国人旅行者受入環境整備事業 Q&A」(2026年7月確認時点で公開されていたもの)に基づきます。受付期間等の最新情報は、金沢市公式ページまたは観光政策課で必ずご確認ください。
よくある質問
Qどのような事業者が対象になりますか。
金沢市内で施設を運営する宿泊事業者、観光事業者、飲食店、商業施設その他これらに類する組織団体等の民間事業者が対象です。地方自治体から指定管理を受けている施設や第三セクターの施設は対象外です。
Q会社の本社が金沢市外にありますが、申請できますか。
申請者(法人・個人事業主)の住所・所在地が金沢市外であっても、整備を行う施設そのものが金沢市内にあれば補助対象になり得ます。
Q既に無線LANや外国語表記を整備済みですが、申請できますか。
整備済みの必須項目(別表1の必須項目)は、事業者としての対象要件を満たすものとして扱われますが、その整備自体を今回の補助対象経費として申請することはできません。補助対象経費になるのは、交付決定後に新たに着手する整備に限られます。まだ整備していない項目や、追加で行いたい整備がある場合にご検討ください。
Q宿泊事業者ですが、旅館業の許可を取得する前でも申請できますか。
旅館業法第3条第1項の許可を受けて、同法第2条第2項または第3項の営業を行っている施設であることが対象事業者の要件とされているため、許可を取得する前に申請することはできません。
Q1つの事業者が複数の施設を運営している場合、施設ごとに申請できますか。
はい。施設ごとに申請することができます。ただし、1施設につき申請できるのは1年度あたり1回までです。
Q受付期間はいつまでですか。
2026年7月時点で確認した金沢市公式ページおよび制度概要には、具体的な受付期間・申請期限の記載が見当たりませんでした。予算状況等により募集が終了する可能性も考えられるため、申請を検討される際は金沢市観光政策課へ直接お問い合わせいただくことをおすすめします。
Q国や石川県の補助金と併用できますか。
今回確認した一次情報には、他の補助金との併用可否についての記載がありませんでした。他制度の活用もあわせて検討している場合は、事前に金沢市観光政策課へご確認いただくことをおすすめします。
公式情報(一次情報)
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。