地域一体となった観光産業の効率化支援事業とは?
複数の宿泊施設等が共同で利用する設備の導入・改修を支援し、観光地全体のサービス水準や労働生産性の向上を図る、観光庁の補助金です。
どんな補助金?
地域内の複数の観光関係事業者が共同で利用する設備等の導入・改修を支援する制度です。共同社員寮、温泉引湯管、共同循環バス、共同キッチン、コミュニティーガス事業、地域共同倉庫等の導入・改修や、その運営に係るシステム構築が対象となります。
制度のねらい
観光地の宿泊施設等は、それぞれが単独で従業員寮や送迎バス、給湯設備などを維持することでコストがかさみ、労働力不足や生産性の伸び悩みにつながりやすい構造があります。
この補助金は、地域内の複数事業者が設備等を共同利用する仕組みを作ることで、個々の負担を減らしながら観光地全体のサービス水準と労働生産性を底上げすることを目指しています。
対象となる事業者・要件
次の要件をすべて満たす必要があります。
- •観光関係事業者(宿泊事業者、飲食事業者、交通事業者、観光施設、観光協会、登録DMO等)が実施主体となること
- •地域の宿泊事業者の参加を必須とし、実施主体を含め計2者以上の連携のうえで申請すること
- •連携先が未確定の場合は連携先候補を提出し、交付決定日から3か月以内に連携同意書を提出すること
- •実施主体もしくは連携先に宿泊事業者1者以上を含めること
- •同一会計・同一グループの事業者のみでの申請は不可
- •同一事業者から2件以上の申請は不可
宿泊事業者の定義(重要)
公募要領では、宿泊事業者を「旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項に規定する許可を受けた者」と定義しています(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する店舗型性風俗特殊営業を営む者を除き、補助対象事業者は民間事業者に限る)。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出住宅がこの定義に含まれるかどうかは公募要領に明記がなく、旅館業法の「許可」と住宅宿泊事業法の「届出」は法的に別の制度であるため、原則として民泊単体では対象外と解される可能性が高い状況です。個別の該当性は事務局への確認をおすすめします。
補助額の考え方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2 |
| 補助上限額 | 5,000万円 |
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-07)
補助対象経費の例
地域内の複数の観光関係事業者が共同利用する設備等の導入・改修が対象です。以下は一例で、同様の目的・効果が認められる事業も対象となり得ます。
- •共同社員寮の導入・改修
- •温泉引湯管の導入・改修
- •共同循環バスの導入
- •共同キッチン・コミュニティーガス事業の導入
- •地域共同倉庫の導入・改修
- •上記の設備導入・改修後の運営に係るシステム構築
次のような経費は対象外です。
- −本事業に直接関係のない経費
- −交付決定前に発生した経費
- −光熱水費・通信料・仲介手数料・保証金・リース料等の経常的な経費
- −躯体の新設工事
- −法令・条例等で義務化されている設備の新規導入に係る工事費
- −恒久的な施設の設置・用地取得等
- −設備導入・改修後の運用に係る経費
申請前に押さえておきたいポイント
宿泊事業者は「旅館業法の許可」を受けた者に限定される
公募要領上、宿泊事業者は「旅館業法第3条第1項に規定する許可を受けた者」と定義されています。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出住宅は、許可ではなく届出の制度であるため、この定義には含まれないと解される可能性が高い点に注意が必要です。個別の該当性は必ず事務局に確認してください。
最終的には2者以上の連携体制が必要。候補提出での申請も可能
最終的には実施主体を含め2者以上の連携体制が必要です。申請時点で連携先が確定していない場合でも、連携先候補を記載すれば申請できますが、交付決定日から3か月以内に連携同意書を提出できないと交付決定が取り消される可能性があります。
取得財産は実施主体・連携先いずれの所有でもよい
共同設備導入で取得した財産の所有者は、実施主体・連携先のどちらでも構いません。ただし、取り組みを共同利用する連携先は、必ずしも経費を負担する必要はないとされています。
スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募回 | 二次公募 |
| 申請受付期間 | 2026年7月8日(水)10:00〜8月18日(火)12:00(締切厳守) |
| 2次審査(予定) | 2026年9月7日(月)〜9日(水)※予備日9月10日(木) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2027年2月19日(金)17時 |
申請の流れ
実施主体・連携先の検討
地域内の宿泊事業者を含む2者以上での連携体制を検討します。連携先が未確定でも候補を記載すれば申請可能です。
事業計画の具体化
共同利用する設備の仕様・数量・導入場所・手順を明確にし、効率化の効果を定量的に説明できる形に整理します。
申請者マイページの作成
特設Webサイトから申請者マイページを作成し、様式1〜4等の必要書類を全て揃えます。
申請(〜2026年8月18日12:00)
システム上で提出します。締切厳守のため、時間に余裕を持って手続きしてください。
1次審査(書面)・2次審査(プレゼンテーション)
書面審査を通過すると、オンラインでのプレゼンテーション審査(2026年9月7〜9日予定)が行われます。
選定通知・交付申請・交付決定
選定された事業者は交付申請書を提出し、交付決定通知を受けた後に事業へ着手できます(交付決定前の発注・契約・支出は補助対象外)。
事業実施・完了実績報告(〜2027年2月19日)
策定した事業計画に基づき事業を実施し、完了後に実績報告と証憑等の精算書類を提出します。
注意点
- •申請締切は2026年8月18日(火)12:00です。連携先との調整に時間がかかるため、早めの着手が必要です
- •事業者単独での申請はできません。実施主体を含め計2者以上の連携が必須です
- •宿泊事業者は旅館業法の許可を受けた者に限られる可能性が高く、民泊(住宅宿泊事業法の届出住宅)の該当性は事務局への確認が必要です
- •交付決定前の発注・契約・支出は補助対象外です
- •国や地方公共団体による同一内容の補助金等を既に受けている、または受けることが確定している場合は申請できません
- •本記事は2026年7月時点の二次公募要領に基づきます。最新かつ正確な要件は、必ず公募要領の原文をご確認ください
よくある質問
Q民泊(住宅宿泊事業法の届出住宅)は「宿泊事業者」に含まれますか?
公募要領では宿泊事業者を「旅館業法第3条第1項に規定する許可を受けた者」と定義しています。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出住宅は旅館業法の許可ではなく届出の制度であるため、原則としてこの定義には含まれないと解される可能性が高い状況です。簡易宿所営業として旅館業法の許可を受けている施設は対象に含まれます。個別の物件が該当するかどうかは、必ず事業事務局へ確認することをおすすめします。
Q実施主体は誰がなれますか?
観光関係事業者(宿泊事業者、飲食事業者、交通事業者、観光施設、観光協会、登録DMO等)が実施主体となれます。登録DMOの場合は、公募申請時点および交付決定後の事業期間を通じて、観光庁が定める登録DMOの要件を満たしていることが必須条件です。
Qいくら補助されますか?
補助率は1/2、補助上限額は5,000万円です。共同社員寮・温泉引湯管・共同循環バス・共同キッチン・コミュニティーガス事業・地域共同倉庫等の導入・改修、およびこれらの運営に係るシステム構築等が対象経費となります。
Q単独の宿泊施設の改修でも対象になりますか?
対象になりません。本事業は「複数の宿泊施設等が利用する共同設備」の導入・改修を支援する制度です。実施主体を含め計2者以上の連携が申請の必須条件です。