省エネ・非化石転換補助金とは?
省エネ・非化石転換補助金は、申請型・事業区分が多く「どこに申請すればいいかわからない」という声をよく聞きます。行政書士法人クロノスが、「非化石転換」の概念、自社に当てはまる区分の見分け方、補助率・上限額、審査で加点される要件まで、わかりやすくご案内します。
最終更新日: 2026.10.12|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
省エネ・非化石転換補助金は、工場や事業場のエネルギー消費効率を高める設備や、化石燃料から電気・非化石燃料へ転換する設備の導入を支援する経済産業省 資源エネルギー庁の補助制度です。予算上の正式名称は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」および「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」で、令和7年度補正予算に基づき、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行団体として公募・審査・交付を行っています。
「非化石転換」とは、現在使用している化石燃料(重油・都市ガス・LPGなど)を使う設備を、電気・水素・バイオマスなど化石燃料以外のエネルギーを使う設備へ切り替えることを指します。省エネ(エネルギー消費量の削減)と非化石転換(燃料の脱炭素化)の両方を支援する制度であることが、この補助金のタイトルに「省エネ・非化石転換」と付いている理由です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 内容:省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金/省エネルギー投資促進支援事業費補助金(通称:省エネ・非化石転換補助金) |
| 所管 | 内容:経済産業省 資源エネルギー庁 |
| 執行団体 | 内容:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) |
| 対象者 | 内容:国内で事業活動を営む中小企業・大企業(要件あり)・個人事業主 |
| 補助上限額 | 内容:1億円〜20億円(申請型・事業区分により異なる。申請下限額は30万円〜100万円) |
| 補助率 | 内容:1/5〜2/3(申請型・事業区分により異なる) |
| 4次公募受付期間 | 内容:2026年10月5日〜10月30日17時必着 |
対象となる設備投資の規模や内容に応じて、工場・事業場全体で複数の設備をまとめて更新する「工場・事業場型」と、エアコンやボイラーなど個別の設備を更新・新設する「設備単位型」の2つの申請方式に分かれ、さらにそれぞれが複数の事業区分(申請枠)で構成されています。区分が多く複雑な制度であるため、この記事では自社に当てはまる区分の見分け方から、補助率・上限額、審査での加点要件、申請の流れまで整理してご紹介します。
4次公募のポイント
省エネ・非化石転換補助金は2026年度4次公募を2026年10月5日から10月30日まで実施しています。令和7年度補正予算を原資とし、SIIとDNP(大日本印刷株式会社)の共同事業体が執行します。1次公募から導入された制度変更は4次公募でも継続して適用されており、特に複数事業者による共同申請や中小企業にとって使いやすくなった点が特徴です。
- •工場・事業場型に、サプライチェーン上の4者以上が共同で設備更新計画を立案する「サプライチェーン連携枠」が設けられています
- •設備単位型に、GX(グリーントランスフォーメーション)要件を満たすメーカーの設備を対象とする「GX設備単位型」(メーカー強化枠・トップ性能枠)が設けられています
- •工場・事業場型の申請では、事業所全体の要件に加えて、更新する設備単位でも省エネ要件を満たすことが求められます
- •エネルギー需要最適化型(EMS導入)は、新たに事業を開始する新設の事業所や、既存事業所内の新しい製造ラインへの導入も対象になっています
- •4次公募の交付決定は2026年12月下旬が予定されています
申請枠・区分の選び方
省エネ・非化石転換補助金で最初につまずきやすいのが、自社の設備投資がどの申請型・事業区分に当てはまるかという点です。大きく分けると、工場・事業場全体で複数の設備をまとめて更新する場合は「工場・事業場型」、エアコンやボイラーなど特定の設備だけを更新・新設する場合は「設備単位型」を検討します。まずは下の早見表で、自社の設備投資がどちらに近いかを確認してください。
| こんな設備投資をお考えの方 | 検討したい申請型・区分 |
|---|---|
| 工場・事業場全体で複数の設備を大規模に更新し、省エネ効果を大きく出したい | 検討したい申請型・区分:工場・事業場型(先進枠・一般枠) |
| 中小企業で、複数の設備をまとめて更新したい | 検討したい申請型・区分:工場・事業場型(中小企業投資促進枠) |
| 取引先など複数の事業者と共同で設備更新に取り組みたい | 検討したい申請型・区分:工場・事業場型(サプライチェーン連携枠) |
| 空調・ボイラーなど特定の設備1台〜数台だけを更新したい | 検討したい申請型・区分:設備単位型(従来枠・GX設備単位型) |
| 化石燃料を使う設備を電気や水素対応の設備に切り替えたい | 検討したい申請型・区分:設備単位型(電化・脱炭素燃転型) |
| エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入して見える化・制御を行いたい | 検討したい申請型・区分:エネルギー需要最適化型(工場・事業場型では単独申請可、設備単位型では他区分との組み合わせが必須) |
工場・事業場型は、エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場を単位として申請する方式です。原則、最大4年間の複数年度事業として計画でき、次の4つの事業区分があります。
- •先進枠:資源エネルギー庁の技術評価委員会が審査・採択した「先進設備・システム」への更新等が対象です。4区分の中で最も補助率が高く設定されています
- •一般枠:機械設計を伴うオーダーメイド型設備や、SIIが公表する指定設備への更新が対象です
- •中小企業投資促進枠:一般枠と同様の設備を対象に、中小企業・小規模事業者向けに要件を緩和した区分です
- •サプライチェーン連携枠:サプライチェーン上の4者以上が共同で立案した設備更新計画を対象とする区分です
設備単位型は、空調・ボイラー・モータなど個別の設備単位で申請する方式です。最大2年間の複数年度事業として計画でき、次の事業区分があります。
- •設備単位型(従来枠):SIIがあらかじめ定めた基準を満たす「指定設備」への更新が対象です
- •GX設備単位型(メーカー強化枠):GX要件を満たすメーカーが製造する指定設備への更新が対象です
- •GX設備単位型(トップ性能枠):GX要件を満たすメーカーの設備のうち、特に高い省エネ性能を持つ「トップ性能設備」への更新・新設が対象です
- •電化・脱炭素燃転型:化石燃料を使用する設備から、電気や水素などより低炭素な燃料を使う設備への転換(更新・改造・新設)が対象です
このほか、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入による見える化・制御を支援する「エネルギー需要最適化型」があります。工場・事業場型では単独でも申請できますが、設備単位型では単独申請ができず、必ず設備単位型(従来枠・GX設備単位型)または電化・脱炭素燃転型と組み合わせて申請する必要がある点に注意してください。
補助上限額・補助率
補助率・補助上限額は、申請型・事業区分ごとに細かく定められています。同じ区分でも中小企業者等か大企業かによって補助率が異なり、区分によっては投資回収年数の要件によって補助率がさらに下がります。以下は2026年度3次公募における、単年度事業として申請した場合の金額です。複数年度事業として申請する場合は上限額の考え方が異なりますので、詳細は公募要領でご確認ください。
| 事業区分(工場・事業場型) | 補助率(中小企業者等) | 補助率(大企業・その他) | 補助上限額(単年度事業) | 下限額 |
|---|---|---|---|---|
| 先進枠 | 2/3以内 | 1/2以内 | 15億円(非化石転換の場合20億円) | 100万円 |
| 一般枠 | 1/2以内(投資回収年数7年未満は1/3以内) | 1/3以内(投資回収年数7年未満は1/4以内) | 15億円(非化石転換の場合20億円) | 100万円 |
| 中小企業投資促進枠 | 1/2以内(投資回収年数5年未満は1/3以内) | 対象外 | 15億円(非化石転換の場合20億円) | 100万円 |
| サプライチェーン連携枠 | 1/2以内(投資回収年数5年未満は1/3以内) | 1/3以内(投資回収年数7年未満は1/4以内) | 15億円(非化石転換の場合20億円、事業者ごと) | 100万円 |
| エネルギー需要最適化型 | 1/2以内 | 1/3以内 | 1億円 | 30万円 |
| 事業区分(設備単位型) | 更新/新設 | 補助率 | 補助上限額 | 下限額 |
|---|---|---|---|---|
| 設備単位型(従来枠) | 更新 | 1/3以内 | 1億円 | 30万円 |
| GX設備単位型(メーカー強化枠) | 更新 | 1/3以内 | 3億円 | 30万円 |
| GX設備単位型(トップ性能枠) | 更新 | 1/2以内 | 3億円 | 30万円 |
| GX設備単位型(トップ性能枠) | 新設 | 1/5以内 | 3億円 | 30万円 |
| 電化・脱炭素燃転型 | 更新・改造 | 1/2以内 | 3億円(電化する場合は5億円) | 30万円 |
| 電化・脱炭素燃転型 | 新設 | 1/5以内 | 3億円 | 30万円 |
| エネルギー需要最適化型 | ― | 中小1/2以内・大企業1/3以内 | 1億円 | 30万円 |
複数年度事業として申請する場合や、工場・事業場型とエネルギー需要最適化型を組み合わせて申請する場合は、上限額の考え方が変わります。たとえば工場・事業場型(先進枠等)とエネルギー需要最適化型を組み合わせる場合は、それぞれの上限額の合計が事業全体の上限額になります。正確な金額は、申請予定の区分の公募要領でご確認ください。
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-10)
対象となる事業者・要件
補助対象事業者は、次の要件をすべて満たす必要があります。
- •国内において事業活動を営んでいる法人または個人事業主であること
- •本事業を実施するために必要な経営基盤を有し、事業の継続性が認められる者であること(導入する補助対象設備の所有者が直近の年度決算で債務超過の場合は対象外)
- •国内において設置する補助対象設備の所有者であり、その処分制限期間中、継続的に使用する者であること
- •経済産業省から補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられていない者であること
- •風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する性風俗関連特殊営業を営む事業所ではないこと
- •成果報告時に、導入した補助対象設備のエネルギー使用量と省エネルギー効果を報告できる事業者であること
年間のエネルギー使用量が原油換算で1,500キロリットル以上の事業者(特定事業者等)は、省エネ法に基づく中長期計画書・定期報告書を提出していることが要件になります。大企業については、2026年度3次公募では、省エネ法の事業者クラス分け評価制度で「Sクラス」または「Aクラス」に該当する事業者など、一定の条件を満たす場合のみ対象事業者となります。自社が該当するかどうか不明な場合は、断定せずSIIまたは専門家にご確認ください。
- −新たに事業活動を開始する新設の事業所へ新たに導入する設備は、原則対象外です(エネルギー需要最適化型を除く)
- −既存の事業所において新たに設備を追加する増設は、原則対象外です(エネルギー需要最適化型を除く)
- −事業活動に供していない設備を更新する事業は対象外です
- −専ら居住を目的とした事業所や居住エリアにおける設備更新・新設は対象外です
- −発電量の5割以上を売電する発電設備の新規導入は対象外です
補助対象経費
補助対象経費は、事業区分に応じて設計費・設備費・工事費の全部または一部です。原則として3者以上の販売事業者からの見積り取得による価格競争を行った結果の最低価格が上限になります。
- •設備費:補助事業の実施に必要な機械装置の購入・製造(改修を含む)に要する経費
- •設計費:補助事業の実施に必要な機械装置・建築材料等の設計費、システム設計費等(主に工場・事業場型、エネルギー需要最適化型が対象)
- •工事費:補助事業の実施に不可欠な工事に要する経費(電化・脱炭素燃転型では中小企業者等のみが対象)
- −補助金の交付決定前に発注・契約した設備等にかかる経費は対象になりません
- −建屋等の建築物・外構工事に係る経費、既存設備・システムの解体・撤去・移設に係る経費は対象外です
- −消費税及び地方消費税は対象外です
- −SIIが補助対象外と判断した機器、設備、構造物、基礎工事等に係る経費は対象外です
スケジュール(4次公募)
2026年度4次公募のスケジュールは、単年度事業の場合、次のとおりです。
| 項目 | 期間・期限 |
|---|---|
| 公募期間 | 期間・期限:2026年10月5日(月)〜10月30日(金)17時必着 |
| 交付決定 | 期間・期限:2026年12月下旬予定 |
| 事業実施期間 | 期間・期限:交付決定後〜2027年1月31日まで |
| 実績報告 | 期間・期限:事業完了日から30日以内または2027年2月5日のいずれか早い日 |
| 補助金の支払い | 期間・期限:2027年1月末〜3月末 |
単年度での実施が難しい大規模な事業は、複数年度事業として申請することもできます。工場・事業場型は最大4年間、設備単位型は最大2年間の事業期間を設定できます。複数年度事業のスケジュールの詳細は、公募要領の59〜60ページをご参照ください。
申請の流れ
公募要領の確認・事業計画の立案
SIIホームページで公募要領・様式をダウンロードし、どの申請型・事業区分に該当するか、設備投資の内容と省エネ効果の見込みを検討します。
補助事業ポータルのアカウント登録
SIIホームページからアカウント登録を行うと、電子メールで補助事業ポータルのユーザ情報が届きます。
見積りの取得
原則3者以上の販売事業者から見積りを取得し、価格競争を行います。特定メーカー・機種を指定しての見積り取得が認められるケースもあります。
補助事業ポータルへの入力・申請書類の作成
補助事業ポータルに必要事項を入力し、交付申請書等の申請書類を出力します。指定様式・自由様式の添付書類もあわせて準備します。
申請書類一式の郵送
作成した申請書類一式をファイリングし、配送状況が確認できる方法(書留等)でSIIへ郵送します。持参での提出は認められていません。
審査・交付決定
SIIが申請内容を審査し、必要に応じて個別ヒアリングを行った上で採択・交付決定を行います。4次公募の交付決定は2026年12月下旬が予定されています。
契約・発注・設備導入
交付決定後に契約・発注を行い、計画に沿って設備の導入や工事を実施します。交付決定前の発注は補助対象外になるため注意が必要です。
中間報告・中間検査
着工前写真の提出や口座登録などの中間報告を行います。必要に応じてSIIによる中間検査が実施されます。
事業完了・実績報告
既存設備の撤去、新設備の設置・検収、補助対象経費の支払いが完了した日が事業完了日です。事業完了後、実績報告書を作成・提出します。
確定検査・補助金の受給
SIIによる書類検査・現地調査等の確定検査を経て確定通知書が発行されます。精算払請求書を提出し、補助金が支払われます。
審査で加点される要件
本補助金の審査は、計画省エネルギー量・省エネルギー率・経費当たり省エネルギー量などの定量評価が基本です。これらに加えて、以下の項目に該当する場合には「追加の評価(加点)」が行われます。3次公募の公募要領に明記されている加点要件は次のとおりです。
省エネルギー診断の受診(2023年度以降)
国が実施する省エネルギー診断事業(「エネルギー利用最適化診断等事業」「地域プラットフォーム構築事業」など)で2023年度以降に省エネルギー診断を受けた事業所が申請する場合、追加評価の対象になります。申請書類として省エネ診断報告書(表紙)の写しを添付します。なお、省エネ診断は申請の前提要件ではなく、追加評価(加点)の要件です。
パートナーシップ構築宣言の登録
内閣府・中小企業庁が運営するポータルサイトへ「パートナーシップ構築宣言」を公表している企業が対象です。取引先との共存共栄の取組や「取引条件のしわ寄せ」防止について代表者が宣言するものです。申請書類として宣言の写しを添付します。
経営力向上計画の認定
中小企業等経営強化法に基づき「経営力向上計画」の認定を受けた事業者(または経営革新計画の承認を受けた企業)が認定計画に記載された省エネルギー事業として申請する場合、追加評価の対象になります。申請書類として認定申請書および認定書の写しを添付します。
省エネ法Sクラス事業者(大企業向け)
省エネ法の事業者クラス分け評価制度において、令和6年・7年度提出分の定期報告書で2年連続「Sクラス(優良事業者)」を取得した者が取り組む省エネルギー事業は、追加評価の対象になります。
上記以外にも、省エネ・地域パートナーシップのパートナー金融機関による支援を受けた事業、サプライチェーン全体でのCO2排出削減にコミットする企業のサプライチェーンに属する中小企業の事業なども追加評価の対象となります。採択への影響度はケースによって異なりますので、詳細は公募要領の評価項目の項をご参照ください。
申請前に押さえたいポイント
省エネ効果の算定・エネルギー使用実績の準備に時間がかかります
申請には、原油換算量ベースでの省エネルギー率や投資回収年数の算定、既存設備のエネルギー使用実績など、専門的な計算と資料が必要です。公募締切の直前に準備を始めると間に合わない可能性があるため、早めに検討を始めることをおすすめします。
交付決定前の発注・契約は補助対象外です
工場・事業場型・設備単位型のいずれも、原則として交付決定日より前に行った発注・契約・支払いは補助の対象になりません。ただし、3者以上の見積り依頼・競争入札そのものは、1次公募の公募要領公開日(2026年3月25日)以降であれば交付決定前でも有効です。見積り取得と本発注のタイミングを混同しないよう注意してください。
大企業は事業者クラス分け等の追加要件があります
3次公募では、大企業が対象事業者となるのは、省エネ法の事業者クラス分け評価制度でSクラスまたはAクラスに該当する事業者など、一定の要件を満たす場合に限られます。自社が該当するかどうかの判断に迷う場合は、断定せずSIIまたは専門家にご確認ください。
設備単位型のエネルギー需要最適化型は単独申請できません
EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入のみを検討している場合、設備単位型の枠組みでは単独申請ができず、工場・事業場型で申請する必要があります。設備更新とあわせてEMSを導入したい場合は、組み合わせ申請が可能です。どちらで申請すべきか迷う場合は、事前にSIIまたは専門家にご相談ください。
他の補助金・税制との併用ルール
同一の補助対象経費について、本補助金と他の補助金等を重複して受けることはできません。ただし、地方公共団体の一般財源による補助金等との併用は認められています。また、本補助金の交付を受けて導入した設備は、中小企業等経営強化法に基づく「中小企業経営強化税制(即時償却または税額控除)」との併用も可能です。ただし、補助金部分を控除した取得価額が税制の対象となりますので、実際の適用にあたっては顧問税理士にご確認ください。
複数事業者による共同申請とリース申請
本補助金では、複数の事業者が共同で申請することが認められています。同一事業者の複数工場をまとめて申請する場合(単独申請)と、異なる事業者が共同で申請する場合(共同申請)があり、サプライチェーン連携枠はサプライチェーン上の4者以上がコンソーシアム形式で申請します。また、リースによる設備導入も補助対象となり得ます。リース申請の場合は、対象設備に関するリース契約書案(案)および料金計算書の添付が必要です。リース会社が補助申請の手続きを代行する場合と、リース利用者が申請者となる場合とで手続きが異なりますので、詳細は公募要領またはSIIにご確認ください。
設備単位型(従来枠)の対象設備の例
設備単位型(従来枠)では、SIIがあらかじめ公表する「指定設備」への更新が補助対象です。指定設備は「SII指定設備リスト」に掲載されており、主に次のような設備カテゴリが対象となっています。
- •空調設備(業務用エアコン・冷凍冷蔵機器など):高効率な業務用パッケージエアコンや冷凍冷蔵機器への更新が対象です。SIIが定める省エネ性能の基準(APF・COP等)を満たす機種がリストに掲載されています
- •ボイラー設備:蒸気ボイラー・温水ボイラーなどの高効率化。石油・ガス焚きの既存ボイラーからの更新が対象で、熱効率の向上が求められます
- •照明設備:高効率のLED照明器具への更新が対象です。蛍光灯・水銀灯などからの切り替えに活用できます
- •給湯設備:業務用高効率給湯器(ヒートポンプ給湯器など)への更新が対象になる場合があります
- •コンプレッサー:省エネ型インバーターコンプレッサーへの更新が対象となる場合があります
- •変圧器:高効率変圧器(アモルファス変圧器等)への更新が対象になる場合があります
指定設備の最新リストはSIIの特設サイト(「指定設備検索システム」)で確認できます。対象設備・機種は公募回によって更新されることがあります。実際に申請を検討する場合は、設備の機種が最新の指定設備リストに掲載されているかを必ず確認してください。
主な提出書類
本補助金の申請には、補助事業ポータル(Web)への入力後に出力する指定書類と、別途準備が必要な添付書類を一式ファイリングしてSIIへ郵送します(持参不可)。4次公募の締切は2026年10月30日17時必着です。主な提出書類は次のとおりです。なお、申請型・事業区分によって必要書類が異なります。詳細は公募要領「6-4. 提出書類一覧」をご参照ください。
- •交付申請書(様式第1・2枚組)、別紙1〜3:補助事業ポータルより出力
- •申請総括表(1-1)、事業者情報、資金調達計画、事業実施に関連する事項:ポータルより出力
- •省エネルギー計画書関連書類(省エネルギー計算、原油換算表、導入前後の比較図、発注区分表など):指定様式または自由様式
- •会社情報(法人概要申告書):会社の業種・資本金・従業員数が確認できるページを添付
- •決算書(直近1年分の貸借対照表):自由様式
- •商業登記簿謄本または確定申告書(個人事業主の場合):発行から6か月以内のもの
- •エネルギー使用量実績の確証・燃料評価単価算出根拠(事業所の2025年度エネルギー使用量・コストの領収書等)
- •GX要件を満たすことの表明書:事業区分(I)工場・事業場型に申請する場合は必須
- •中小企業者であることの宣誓書:中小企業者の場合に添付
- •省エネ診断報告書の写し(表紙のみ)、パートナーシップ構築宣言の写し、経営力向上計画の認定申請書・認定書の写しなど:加点要件に該当する場合のみ
- •リース契約書案・リース料金計算書:リースによる申請の場合
申請書類に不備・不足がある場合は、原則として申請を受理されません。提出書類の控えは必ず手元に保管してください。申請書類はSIIから返却されないため、郵送前にすべての写しを取っておくことが求められています。
注意点
- •補助金の交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は、補助の対象になりません。
- •公募における交付申請額の合計額が予算額を超える場合、総合評価の結果、不採択となることがあります。
- •3次公募の採択結果により、4次公募の予算額が変動する場合があります。
- •提出書類に不備・不足がある場合、原則として申請を受理されません。申請書類は返却されないため、必ず控えを保管してください。
- •本記事は2026年10月時点でSIIが公表した「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金 公募要領<4次公募用>」(工場・事業場型)に基づきます。実際の公募要領は変更される場合がありますので、申請前に必ず最新の情報をご確認ください。
よくある質問
Q「非化石転換」とはどういう意味ですか。
非化石転換とは、現在使用している化石燃料(重油・都市ガス・LPGなど)を使う設備を、電気・水素・バイオマスなど化石燃料以外のエネルギーを使う設備へ切り替えることを指します。本補助金の「省エネ」は設備の高効率化によるエネルギー消費量の削減を、「非化石転換」はその燃料の脱炭素化をそれぞれ支援します。
Q工場・事業場型と設備単位型のどちらに申請すればよいか迷っています。
工場・事業場全体で複数の設備を大規模に更新し、事業場単位で高い省エネ効果を目指す場合は工場・事業場型を、エアコンやボイラーなど特定の設備を更新・新設したい場合は設備単位型を検討するのが基本的な考え方です。ただし実際の要件は細かく分かれているため、迷う場合はSIIまたは専門家への確認をおすすめします。
Q審査で加点される要件は何ですか。
3次公募の公募要領に明記されている主な加点要件(追加評価項目)は、省エネルギー診断の受診(2023年度以降・対象事業に限る)、パートナーシップ構築宣言の登録、経営力向上計画の認定、省エネ法の事業者クラス分けでSクラスを2年連続取得(大企業向け)などです。いずれも申請の前提要件ではなく、該当する場合に評価が加算されます。
Q省エネ診断は申請前に受ける必要がありますか。
省エネ診断は申請の前提要件ではありません。国が実施する特定の省エネルギー診断事業で2023年度以降に診断を受けた事業所が申請する場合に、審査で追加評価(加点)の対象となる仕組みです。ただし、省エネ診断を受けることで設備の省エネ効果を精度よく把握でき、申請書類の作成に役立てることができます。
Q中小企業ですが、どの区分が申請しやすいですか。
工場・事業場型では「中小企業投資促進枠」が、中小企業・小規模事業者向けに要件を緩和した区分です。設備単位型では「従来枠」「GX設備単位型」が中小企業でも申請しやすい区分です。なお、工場・事業場型の主要区分では、中小企業者等への適用補助率が大企業より高く設定されています(例:一般枠で中小1/2以内、大企業1/3以内)。
Q採択率はどのくらいですか。
SIIの公式サイトおよび4次公募の公募要領には、採択率の具体的な数値は公表されていません。審査は計画省エネルギー量・省エネルギー率などの定量評価と加点要件への該当状況を総合して行われ、上位者から予算の範囲内で採択されます。詳しい採択実績については、SIIのホームページで採択結果が公表された際にご確認ください。
Q不採択になった場合、次の公募で再申請できますか。
不採択になった場合でも、次回の公募に改めて申請することは可能です。ただし、不採択の理由を踏まえて事業計画や省エネ効果の算定を見直し、申請内容を改善して再挑戦することが重要です。不採択の通知が届いた場合は、SIIへの問い合わせ窓口に改善のポイントを確認されることをおすすめします。
Qエネルギー需要最適化型(EMS導入)だけを申請できますか。
工場・事業場型の枠組みでは、エネルギー需要最適化型を単独で申請できます。一方、設備単位型の枠組みでは単独申請ができず、設備単位型(従来枠・GX設備単位型)または電化・脱炭素燃転型と組み合わせて申請する必要があります。
Q申請すれば採択されますか。
採択されるとは限りません。本補助金は審査を経て採択の可否が決まる制度で、公募における交付申請額の合計が予算額を超える場合は、総合評価の結果、不採択となることがあります。事業計画の内容や省エネ効果の見込みを十分に検討したうえで申請することが重要です。
Q交付決定前に設備を発注してしまった場合はどうなりますか。
交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は、補助の対象になりません。見積り取得自体は、1次公募の公募要領公開日(2026年3月25日)以降であれば交付決定前でも有効ですが、本発注は必ず交付決定後に行う必要があります。
Q他の補助金と併用できますか。
同じ補助対象経費について、本補助金と他の補助金等を重複して受けることはできません。ただし、地方公共団体の一般財源による補助金等との併用や、中小企業経営強化税制との併用は認められています。判断に迷う場合はSIIまたは地方公共団体にご確認ください。
Q令和9年度以降も継続して実施される予定ですか。
3次公募の公募要領には、令和9年度以降の継続実施予定について記載がありません。今後の公募実施については、SIIおよび資源エネルギー庁のウェブサイトで随時ご確認ください。
Q申請は自社だけでもできますか。専門家に依頼するメリットはありますか。
自社での申請も可能な制度ですが、申請型・事業区分の選定、省エネルギー量や投資回収年数の算定、多数の提出書類の整備など、専門的な判断が必要な場面が少なくありません。行政書士法人クロノスでは、事業計画の整理から申請書類の準備まで、あわせてサポートしています。
QLED照明や業務用エアコンの入れ替えは補助対象になりますか。
設備単位型(従来枠)の補助対象設備の中に、LED照明器具・業務用エアコンが含まれています。SIIが定める省エネ性能の基準を満たす「指定設備」への更新が対象で、具体的な対象機種はSIIの指定設備検索システムで確認できます。ただし、既存設備からの「更新」が原則であり、増設や新設の場合は原則対象外です。実際の申請前に、導入予定の機種が指定設備リストに掲載されているかを必ずご確認ください。
Q個人事業主でも申請できますか。
申請できます。本補助金の対象事業者は「国内において事業活動を営んでいる法人または個人事業主」とされており、個人事業主も対象に含まれています。ただし、事業の継続性が認められること(直近の年度決算で債務超過でないこと)など、法人と同様の要件を満たす必要があります。また、大企業向けの追加要件は個人事業主には原則適用されません。詳細は公募要領またはSIIにご確認ください。
公式情報(一次情報)
- 省エネ・非化石転換補助金 2026年版特設サイト|SII
- 公募情報|省エネ・非化石転換補助金 2026年版特設サイト
- 令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募要領<4次公募用>(PDF)
- 令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)公募要領<4次公募用>(PDF)
- 令和7年度補正予算「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」等の公募開始について|資源エネルギー庁
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
関連する補助金記事
同じ目的・同じ地域で活用できる制度の解説記事です。
ものづくり補助金
製造業を中心に、新商品開発や生産プロセスの改善、設備導入などを支援します。製造技術の高度化やイノベーション推進が目的です。
最大補助額:4,000万円(賃上げ達成時の上乗せあり)
業務改善助成金
事業場内最低賃金を引き上げながら設備投資等を行った中小企業・小規模事業者に、費用の一部(最大600万円)を助成する厚生労働省の制度です。石川県では独自に最大100万円の上乗せ支援もあります。
最大助成額:600万円
高度安全機械等導入支援補助金
建設業許可を持つ中小企業が、車両系建設機械に装着する高度な安全装置を購入する際に、購入費の1/2(1台あたり50万円〜100万円)を補助する建災防・厚生労働省の制度です。
補助上限額:1台50万円〜100万円(装置の種類による)
住宅省エネ2026キャンペーン
国土交通省・経済産業省・環境省が連携する住宅の省エネ化支援策の総称です。新築の高性能住宅化からリフォーム、窓・給湯器の交換まで4つの補助事業をワンストップで利用できます。
最大補助額:125万円/戸(新築GX志向型住宅)
生活維持役務等効率化促進事業費補助金
スーパーや運送、医療・介護、理美容など、地域の暮らしに欠かせないサービスの維持を支援します。事業者どうしの連携や、複数サービスの展開による効率化が対象です。
最大補助額:3,000万円
中小企業成長加速化補助金
売上高10億円以上100億円未満の中小企業が、売上高100億円を目指して投資額1億円以上の大型投資に取り組む際に、最大5億円(補助率1/2)を補助する国の制度です。3次公募は2026年11月12日15時締切。
最大補助額:5億円