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岩手県中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)とは?

海外で事業を展開したい岩手県の中小企業の方へ。特許や商標などを外国で取得する際にかかる補助対象経費の1/2以内を補助する岩手県の制度です。現在は令和8年度第3次公募の受付期間中です(2026年11月13日締切)。対象者・補助額・申請の流れを解説します。

最終更新日: 2026.10.09|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る

どんな補助金?(制度概要)

岩手県中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)は、岩手県内の中小企業者等が外国へ事業展開を図るにあたり行う特許・実用新案・意匠・商標の外国出願に要する費用の一部を補助する制度です。公益財団法人いわて産業振興センターが実施機関として運営しており、諸外国での戦略的な権利取得を後押しすることを目的としています。

令和8年度(2026年度)は第1次公募から始まり、予算に余裕がある場合に第2次・第3次公募が実施される仕組みです。現在は第3次公募の受付期間中で、受付期間は2026年9月8日(火)から2026年11月13日(金)16時までとなっています。

項目内容
正式名称内容:岩手県中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)
実施機関内容:公益財団法人いわて産業振興センター(産学連携部)
補助上限額内容:1企業あたり年間300万円(案件別:特許150万円/実用新案・意匠・商標各60万円/抜け駆け対策商標30万円)
補助率内容:1/2以内
第3次公募受付期間内容:2026年9月8日(火)〜2026年11月13日(金)16時
事業期間内容:令和8年5月11日〜令和9年2月28日

補助上限額・補助率

補助率は助成対象経費の1/2以内です。補助上限額は1企業あたりの年間総額と、1件の出願案件あたりの上限額がそれぞれ設定されています。

区分1件あたり補助上限額
特許出願1件あたり補助上限額:150万円
実用新案登録出願1件あたり補助上限額:60万円
意匠登録出願1件あたり補助上限額:60万円
商標登録出願(通常)1件あたり補助上限額:60万円
抜け駆け対策商標出願1件あたり補助上限額:30万円
1企業あたり年間総額の上限1件あたり補助上限額:300万円

同一年度内に複数の案件を申請することは可能ですが、1企業あたりの年間総額が300万円を超えることはできません。共同出願の場合は「出願費用の分担比率」と「契約書上の持ち分比率」のいずれか低い割合が適用されます。また、共同出願の案件を2社以上で申請した場合でも、案件単位の補助上限額を超えて補助を受けることはできません。

「抜け駆け対策商標」とは、日本国内で既に出願または登録済みの商標が、海外において第三者に無断で出願・登録されることを防ぐために行う商標出願のことです。通常の商標出願とは要件・申請書類が異なり、補助上限額も30万円と低く設定されています。

※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-10)

対象となる事業者・要件

以下の要件をすべて満たす者が補助対象者となります。

  • •岩手県内に事業所を有する中小企業者、またはそれらの中小企業者で構成されるグループ(構成員のうち中小企業者が3分の2以上を占め、中小企業者の利益となる事業を営む者)であること。なお、地域団体商標に係る外国商標出願については商工会議所・商工会・特定非営利活動法人(NPO法人)等も対象に含まれます
  • •外国特許庁への出願業務を依頼する国内弁理士等の協力を得られること(または自ら現地代理人に直接依頼する場合等において同等の書類を提出できること)
  • •事業実施後の状況調査(フォローアップ調査等)に積極的に協力できること
  • •外国特許庁への出願にあたり、審査請求が必要な場合は各国特許庁が定める期日までに審査請求を行い、中間応答が必要な場合は応答すること

また、補助対象案件となるためには次の条件を満たす必要があります。

  • •日本国特許庁に対して特許・実用新案・意匠・商標の出願が既に完了していること(ただし、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願で日本への国内移行を予定しているいわゆるダイレクトPCT出願については例外となる場合があります。詳細はいわて産業振興センターへご確認ください)
  • •補助金の交付決定後、年度内(令和9年2月28日まで)に外国特許庁等へ出願を行う予定があること
  • •先行技術調査等の結果からみて、外国での権利取得の可能性が明らかに否定されないこと
  • •外国で権利が成立した場合等に「当該権利を活用した事業展開を計画している」(または抜け駆け対策商標出願の場合は「外国における抜け駆け商標出願対策の意思を有している」)こと
  • •外国出願に必要な資金能力および資金計画を有していること
  • −みなし大企業(大企業が発行済株式の1/2以上を所有している中小企業者等)は対象外です
  • −既に外国特許庁等への出願が済んでいる案件は対象になりません
  • −日本の特許出願を優先権主張の基礎にしない特許協力条約(PCT)に基づく国際出願(ダイレクトPCT出願)については、日本への国内移行予定のものに限ります
  • −商標において国内出願にない区分・商品を追加した場合、対象外となることがあります
  • −抜け駆け対策商標出願を除き、具体的な事業展開計画がない案件は対象となりません

補助対象経費

補助の対象となる経費と対象外の経費は次のとおりです。

  • •外国特許庁への出願手数料(出願料)
  • •出願業務を依頼する国内代理人(弁理士等)の費用
  • •現地の代理人(現地弁護士・弁理士等)の費用
  • •翻訳費用(出願書類の外国語翻訳等)
  • −日本国特許庁に支払う費用(国内出願費用等)
  • −国内代理人費用にかかる消費税・源泉徴収税
  • −海外代理人費用にかかる付加価値税(VAT)
  • −その他、査定により対象外または補助減となると判断された経費

米国(USPTO)への特許出願では、Small Entity(中小企業等)やMicro Entity(超小規模企業等)として認定された場合に庁費用の軽減制度があります。資格要件・軽減率・手続きの詳細については、出願を依頼する国内代理人(弁理士等)にご確認ください。

スケジュール(令和8年度)

令和8年度(2026年度)の公募スケジュールは次のとおりです。第2次公募以降は予算に余裕がある場合に実施される仕組みとなっています。

公募回受付期間備考
第1次公募2026年5月11日(月)〜2026年6月19日(金)16時年度内に交付決定・外国出願まで完了できる見込みが必要
第2次公募受付期間・実施状況は未確認(予算に余裕がある場合に実施)実施の有無・受付期間・内容は別途公表。最新情報はいわて産業振興センターにご確認ください
第3次公募(受付中)2026年9月8日(火)〜2026年11月13日(金)16時jGrantsへの入力だけでは受付とならない点に注意
外国出願期限令和9年2月28日(年度内)交付決定後、この期日までに外国特許庁等への出願を完了する必要あり(費用支払い期限は別途設定。次行参照)
費用支払完了期限令和9年2月中旬(外国出願期限とは別の締切)すべての費用支払いをこの時点までに完了させること。実質的なスケジュール上限はこちらが基準となる
実績報告書提出最終締切令和9年2月28日費用支払い完了後14日を目安に提出。外国出願・費用支払い・報告書提出のすべての期限を満たす必要がある

注意が必要なのは、jGrantsへ申請情報を入力しただけでは申請受付となりません。交付申請書および添付書類を必ずメールまたは郵送でいわて産業振興センターへ提出する必要があります。

申請の流れ

1

国内出願の確認

日本国特許庁に対して特許・実用新案・意匠・商標のいずれかの出願が完了していることを確認します。外国出願時に優先権(最初の国内出願日に出願したとみなされる権利)を主張するためには、国内出願日から規定の期間内(特許・実用新案は12か月以内、意匠・商標は6か月以内が目安)に外国出願を行う必要があります。ただし、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願で日本への国内移行を予定しているダイレクトPCT出願については、要件が異なる場合があります。詳細はいわて産業振興センターへ事前に確認してください。

2

弁理士等との相談・先行技術調査

国内弁理士等と連携し、外国出願を行う国・権利種別・出願費用の見積りを取得します。先行技術調査等の結果を取り寄せ、外国での権利取得可能性を確認します。

3

申請書類の準備

様式第1-1(特許・実用新案・意匠・商標用)または様式第1-2(抜け駆け対策商標用)に必要事項を記入し、添付書類(登記簿謄本等・決算書・先行技術調査結果・見積書など)を揃えます。賃上げ加点や働き方改革加点を希望する場合はその関係書類も準備します。

4

交付申請(メールまたは郵送)

公募締切日(第3次:2026年11月13日16時)までに、交付申請書と添付書類一式をいわて産業振興センター産学連携部宛にメールまたは郵送で提出します。jGrantsへの入力だけでは申請受付となりませんので注意が必要です。

5

審査(ヒアリング・プレゼン)

書類審査のほか、ヒアリング後のプレゼン方式による審査が予定されています。採否については交付申請の締切後、順次通知されます。

6

採択・交付決定通知の受領

採択が決定すると交付決定通知書が届きます。交付決定前に行った外国出願は原則として補助対象となりません。交付決定の連絡を受けてから出願手続きを進めるスケジュール管理が重要です。

7

外国出願・費用の支払い

交付決定後、年度内(令和9年2月28日まで)に外国特許庁等への出願を行います。費用の支払いについては令和9年2月中旬までにすべての費用支払いを完了させる必要があります。外国出願の期限(令和9年2月28日)と費用支払完了の期限(令和9年2月中旬)はいずれも満たさなければならず、事実上は2月中旬を目標に全手続きを完了させるスケジュール管理が必要です。

8

実績報告書の提出

費用支払い完了後14日を目安に実績報告書を提出します(最終締切:令和9年2月28日)。書類には代表印の押印は不要で、添付書類を含め電子メールで提出できます。

9

確認・補助金の交付

いわて産業振興センターが実績報告書の内容を確認し、適正と認められれば補助金が振り込まれます。採択された企業名・所在地・権利種別等はホームページ等で公開される場合があります。

申請前に押さえたいポイント

交付決定前の外国出願は原則対象外

補助金の交付決定通知を受け取る前に行った外国出願は、原則として補助の対象となりません。スケジュールに余裕を持って申請し、採択・交付決定の連絡後に出願手続きを進めることが重要です。優先権の期限が迫っている場合は、弁理士等と十分に相談したうえで対応方針を検討してください。

jGrantsへの入力だけでは申請にならない

本補助金はjGrants(経済産業省の電子申請システム)にも掲載されていますが、jGrantsへの入力だけでは申請受付となりません。交付申請書と添付書類を必ずメールまたは郵送でいわて産業振興センター宛に提出する必要があります。この点を見落とすと申請ができない事態になるため、公募要領を必ず確認してください。

賃上げ加点・働き方改革加点の活用

申請後の1事業年度または1年間において給与総額(または一人あたり平均受給額)が2.5%以上増加する計画がある場合、「従業員への賃金引上げ計画の表明書(様式①)」を提出することで審査上の加点を受けられます。また、えるぼし認定・くるみん認定などの認定を受けた企業(または行動計画を公表している企業)は、働き方改革加点の対象となる場合があります。

採択後5年間の調査協力が必要

補助金を受けた後は、利用後5年間にわたり特許庁からの調査(フォローアップ調査等)に回答することが求められます。回答がない場合、その後の補助金申請ができなくなることがあります。また、採択後の状況調査(ヒアリング等)についても積極的に協力することが求められています。

注意点

  • •交付決定前に行った外国出願は原則として補助対象となりません。採択・交付決定通知を受けてから出願手続きを行うよう、スケジュールを組むことが重要です。
  • •外国出願の期限(年度内:令和9年2月28日)と費用支払完了の期限(令和9年2月中旬)はいずれも満たす必要があります。2月下旬まで出願を引き延ばすと費用支払いが間に合わなくなる可能性があるため、実質的なスケジュール上限は2月中旬です。
  • •jGrantsへの入力だけでは申請受付となりません。交付申請書と添付書類をメールまたは郵送でいわて産業振興センターへ提出することが必須です。
  • •補助金を受けた後は、利用後5年間にわたり特許庁からの調査に回答することが求められます。回答がない場合、その後の補助金申請ができなくなる場合があります。
  • •補助上限額・補助率・公募期間は公募回ごとに変更される場合があります。最新の公募要領を必ずご確認ください。
  • •本記事は令和8年度(2026年度)海外出願支援事業公募要領(令和8年5月版)および実施要領に基づいており、第3次公募(2026年9月8日〜2026年11月13日)時点の情報を参考にしています。制度の詳細・最新情報は必ず公益財団法人いわて産業振興センターの公式ページでご確認ください。

よくある質問

Q岩手県外に本社がある企業でも申請できますか。

岩手県内に実体のある事業所(工場など)があれば、本社(本店)が岩手県外であっても対象となり得ます。ただし「実体のある事業所」であることが要件となるため、登記上の住所のみで実態がない場合は対象外となる可能性があります。要件を満たすかどうかはいわて産業振興センターへ確認されることをおすすめします。

Q個人事業主でも申請できますか。

申請できます。中小企業者には法人格を有しない個人で事業を営んでいる方(個人事業主)が含まれます。ただし、みなし大企業の要件に該当しないこと、岩手県内に事業所を有することなど、他の要件を満たす必要があります。

Q同一年度内に複数の案件(特許と商標など)をまとめて申請できますか。

可能です。同一年度内に複数の案件を申請することが認められています。ただし、1企業あたり年間の補助総額は300万円が上限となります。たとえば特許1件(上限150万円)と商標1件(上限60万円)を申請しても合計210万円が上限となり、300万円の枠を超えることはできません。

Q外国出願を済ませてから申請することはできますか。

できません。既に外国特許庁等への出願が完了している案件は補助対象外です。また、交付決定前に行った外国出願も原則として対象となりません。交付決定の通知を受けてから外国出願の手続きを進めることが求められます。優先権の期限が迫っている場合は、早めに弁理士等へ相談してください。

Q採択率はどのくらいですか。

公募回ごとに採択件数・採択率は変動しますので、一概には申し上げられません。採択後はいわて産業振興センターのホームページ等で採択結果が公表される場合があります。審査はヒアリング後のプレゼン方式で行われ、外国での権利取得可能性や事業展開計画の具体性が評価されます。事前に弁理士等と準備を行うことで、要件確認や書類の不備防止に役立ちます。

Q自分で申請書類を作成するのと、専門家に依頼するのとではどちらがよいですか。

申請書類の作成サポートを依頼したい場合は、行政書士または行政書士法人にご相談ください。専門家に依頼することで、要件確認・書類の不備リスクの軽減・スケジュール管理などの面でサポートを受けられます。

Q不採択になった場合、再度申請することはできますか。

令和8年度(2026年度)では現在第3次公募(2026年11月13日締切)が受付中のため、第3次公募に再度申請できる可能性があります。第3次公募以降の後続公募については、予算状況により実施の有無が決まるため未定です。最新の実施状況はいわて産業振興センターへご確認ください。

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