岡崎ものづくり支援補助金とは?
岡崎ものづくり支援補助金には6つの事業区分があり、対象経費や補助上限額がそれぞれ異なります。この記事では、その中でも「プラットフォーム活用事業」「依頼試験事業」「知的財産権取得事業」の3区分をまとめて、行政書士法人クロノスがわかりやすくご案内します。
最終更新日: 2026.09.21|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
岡崎ものづくり支援補助金は、愛知県岡崎市内のものづくり事業所を対象に、岡崎市と岡崎商工会議所で構成する岡崎ものづくり推進協議会が実施する補助制度です。CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)やMaaS(複数の交通手段を一つのサービスとして提供する仕組み)など自動車産業をはじめとした産業界で技術革新が急速に進む中、ものづくり産業の集積地である岡崎市内の企業が、経営や技術に関する課題解決、販路開拓、新製品・新技術の開発、既存製品・技術の高付加価値化に取り組めるよう支援することを目的としています。
この補助金には、共同研究事業、依頼試験事業、見本市等出展事業、知的財産権取得事業、プラットフォーム活用事業、新製品共創事業の6つの事業区分があります。この記事では、その中でも「プラットフォーム活用事業」「依頼試験事業」「知的財産権取得事業」の3区分をまとめて、対象者・対象経費・補助率・補助上限額・申請の流れを解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 岡崎ものづくり支援補助金 |
| 実施機関 | 岡崎ものづくり推進協議会(岡崎市・岡崎商工会議所) |
| 対象者 | 岡崎市内で製造業を営む法人・個人事業主 |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内(区分共通) |
| 補助上限額 | 30万円〜50万円(事業区分により異なる) |
| 交付申請書提出期間 | 2026年4月1日〜2027年1月31日(中小企業者)。1月31日は日曜日にあたるため、前営業日の2027年1月29日(金曜日)までの提出が目安。予算がなくなり次第終了 |
| 問い合わせ先 | 岡崎ものづくり推進協議会事務局(岡崎商工会議所内)電話0564-53-6191 |
3つの事業区分の違い
「プラットフォーム活用事業」「依頼試験事業」「知的財産権取得事業」は、いずれも岡崎市内のものづくり事業所が新製品・新技術の開発や既存製品の高付加価値化に取り組む費用を補助する点は共通ですが、対象となる取り組みや補助対象経費が異なります。まずは下の比較表で違いを確認してください。
| 事業区分 | 対象となる取り組み | 補助対象経費 | 補助率 | 補助限度額 |
|---|---|---|---|---|
| プラットフォーム活用事業 | 他の事業者とのマッチングを支援・提案するプラットフォームサービスの活用 | 登録費、運営機能利用費、伴走支援費 | 補助対象経費の2分の1以内 | 50万円 |
| 依頼試験事業 | 大学又は試験研究機関等への依頼試験(通常の品質保全・確認検査を除く) | 大学又は試験研究機関等に支払う試験費 | 補助対象経費の2分の1以内 | 50万円(共同研究事業と合算した上限) |
| 知的財産権取得事業 | 日本国特許庁への特許出願(PCT出願=特許協力条約に基づく国際出願を含む)・特許出願審査請求 | 出願・審査請求の手数料相当額、弁理士の報酬及び経費 | 補助対象経費の2分の1以内 | 30万円 |
プラットフォーム活用事業とは
自社だけでは出会えない他の事業者とのマッチングを支援・提案するサービス(プラットフォーム)を利用する際の登録費や運営機能利用費、伴走支援費の一部を補助します。対象となるプラットフォームは、プラットフォーム内で小売りを主目的としないもの、かつ登録企業数が50社以上のものに限られます。
依頼試験事業とは
新製品・新技術の開発や既存製品の高付加価値化のために、大学や試験研究機関等へ依頼する試験にかかる費用の一部を補助します。ただし、通常の商慣習に伴う品質保全や確認のための検査は対象になりません。補助限度額の50万円は、同じく大学等への研究費を支援する共同研究事業と合算した上限である点に注意してください。
知的財産権取得事業とは
新製品・新技術の開発や既存製品・技術の高付加価値化のために、日本国特許庁へ特許出願(PCT出願=特許協力条約に基づく国際出願を含む)や特許出願審査請求を行う際の手数料相当額、弁理士の報酬及び経費の一部を補助します。特許料や弁理士の成功報酬、振込手数料は対象になりません。特許庁の減免制度を利用する場合は、減免を受けた後の額が補助対象経費になります。
補助上限額・補助率
3区分の補助上限額・補助率をまとめると、次のとおりです。補助額は1,000円未満の端数を切り捨てて算定し、振込手数料はいずれの区分でも補助対象経費に含まれません。
| 事業区分 | 補助率 | 補助限度額 |
|---|---|---|
| プラットフォーム活用事業 | 補助対象経費の2分の1以内 | 50万円 |
| 依頼試験事業 | 補助対象経費の2分の1以内 | 50万円(共同研究事業と合算した上限) |
| 知的財産権取得事業 | 補助対象経費の2分の1以内 | 30万円 |
依頼試験事業の補助限度額50万円は、この記事では扱わない共同研究事業(大学等への研究費支援)と合算した上限です。両方の事業区分を同じ年度に申請する場合、合計で50万円までしか補助を受けられません。
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-09)
対象となる事業者・要件
3区分に共通する応募資格は、次の3つの要件をすべて満たすことです。
- •日本標準産業分類の大分類Eに分類される製造業を営む法人、または同じく製造業を営み「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出した個人事業主であること(製造業を営んでいることは法人・個人共通の要件です)
- •市内に本社機能または製造を行う工場を6か月以上引き続き有していること
- •市税を完納していること
このほか、公的補助金であることから、次のいずれかに該当する場合は申請できません。
- −国又は県の補助金を活用する事業(同じ取り組みについて、岡崎ものづくり支援補助金と国・県の補助金を重複して活用することはできません)
- −暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団である事業所、暴力団員が役員となっている事業所、暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する事業所
- −風俗関連業、ギャンブル業、賭博、金融・賃金業等(募集要領の表記のまま)、公的資金の交付先として社会通念上適正を欠くと判断されるもの
補助対象経費(区分別)
補助対象経費は事業区分ごとに定められています。補助額は1,000円未満の端数を切り捨てて算定し、振込手数料はいずれの区分でも補助対象経費に含まれません。
- •プラットフォーム活用事業:プラットフォームサービスの登録費、運営機能利用費、伴走支援費
- •依頼試験事業:大学又は試験研究機関等に支払う試験費
- •知的財産権取得事業:特許出願(PCT出願=特許協力条約に基づく国際出願を含む)・特許出願審査請求に係る手数料相当額(特許料を除く)、弁理士の報酬及び経費(成功報酬を除く)
- −振込手数料(すべての区分で対象外)
- −依頼試験事業における、通常の商慣習に伴う品質保全・確認のための検査費用
- −知的財産権取得事業における、特許料、弁理士の成功報酬
スケジュール
2026年度(令和8年度)の岡崎ものづくり支援補助金は、次のスケジュールで実施されます。すべて予算がなくなり次第、その年度の受付が終了します。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 補助対象事業の実施期間 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 |
| 交付申請書提出期間(中小企業者) | 2026年4月1日〜2027年1月31日(日曜日)。前営業日の2027年1月29日(金曜日)までの提出が目安 |
| 交付申請書提出期間(中小企業者以外) | 2026年12月1日〜2027年1月31日(同上の取り扱い) |
| 実績報告書提出期限 | 事業完了日から1か月以内、または2027年2月28日(日曜日)のいずれか早い日。前営業日の2027年2月26日(金曜日)までの提出が目安 |
年度をまたぐ事業期間であっても、年度ごとに支払いが区別できる場合は、当該年度分の経費のみを補助対象にすることができます。募集要領には「提出締め切り日が土日祝日の場合は、事前に提出してください」と明記されており、2027年1月31日・2027年2月28日はいずれも日曜日にあたるため、それぞれの前営業日(1月29日・2月26日)までの提出が目安になります。正式な取り扱いは事務局にご確認ください。
募集要領上、補助対象事業の実施期間は2027年3月31日までとされていますが、実績報告書の提出期限は原則として2027年2月28日(事業完了日から1か月以内のいずれか早い日)です。募集要領にはこの期間差を解消する例外規定が明記されていないため、実施期間の終盤(2月以降)に事業を完了する計画の場合、実績報告書の提出期限に間に合わない可能性があります。事業のスケジュールを検討する際は、事前相談の際に岡崎ものづくり推進協議会事務局へ完了時期と報告期限の関係をご確認ください。
申請の流れ
事前相談
すべての事業区分で、申請前に岡崎ものづくり推進協議会事務局へ申請可否や申請内容について事前確認(事前相談)を行う必要があります。
必要書類の準備
全事業共通の書類(見積書・依頼書・契約書等の写し、市税完納証明書の原本、会社案内の写し)と、申請する事業区分ごとの交付申請書・経費明細表・事業計画書等を準備します。提出方法はメールのみが案内されており、原本とされる市税完納証明書をどのように提出するか(郵送の要否や、電子化した写しで足りるか)は募集要領に明記がないため、事前相談の際に事務局へご確認ください。
交付申請書の提出
必要書類をそろえ、岡崎ものづくり推進協議会事務局宛のメールアドレスへ提出します。
審査・ヒアリング
事務局が書類審査を行います。申請内容について、ヒアリングや追加書類の提出、現地調査を求められる場合があります。
交付決定通知
審査の結果はメールで通知されます。審査内容についての個別の問い合わせには応じてもらえない点に留意してください。
事業の実施
交付決定の内容や条件に従って、依頼試験や特許出願、プラットフォームサービスの利用などの事業を実施します。
実績報告書の提出
事業完了日から1か月以内または2027年2月28日(日曜日。前営業日の2月26日までの提出が目安)のいずれか早い日までに、実績報告書、収支精算書、補助事業実績表等を提出します。知的財産権取得事業では、特許出願番号が記載された出願・審査請求書の写しも必要です。
補助金の受取
事務局が完了検査を行い、交付金額確定通知書を送付します。請求書を提出すると補助金が交付されます。実績報告書に記載した金額が交付決定額を超えた場合は、交付決定額が補助上限額になります。
申請前に押さえたいポイント
すべての事業区分で事前相談が必須です
岡崎ものづくり支援補助金は、申請前に岡崎ものづくり推進協議会事務局への事前確認(事前相談)が必須とされています。事前相談を行わずに申請書類を準備すると、内容が要件に合わず作り直しになる可能性があるため、早めに事務局へ相談することをおすすめします。
依頼試験事業と共同研究事業は合算で50万円が上限です
依頼試験事業の補助限度額50万円は、大学等への研究費を補助する共同研究事業と合算した上限です。両方の事業区分を同じ年度に申請する場合、合計で50万円までしか補助を受けられない点に注意してください。
国・県の補助金と併用できません
同じ取り組みについて国又は県の補助金を活用する場合、岡崎ものづくり支援補助金を申請することはできません。他の補助金の活用も検討している場合は、事前にどちらを利用するか整理しておく必要があります。
予算がなくなり次第、受付が終了します
岡崎ものづくり支援補助金は、すべて予算がなくなり次第その年度の受付を終了する制度です。交付申請書提出期間の範囲内であっても、予算の上限に達している場合は申請できません。検討している場合は早めの相談・申請をおすすめします。
注意点
- •岡崎ものづくり支援補助金は、すべて予算がなくなり次第受付を終了するため、予算の上限に達している場合は申請できません。
- •申請前には、申請可否及び申請内容等について、岡崎ものづくり推進協議会事務局への事前確認(事前相談)がすべての事業区分で必要です。
- •依頼試験事業の補助限度額50万円は、共同研究事業(大学等への研究費支援)と合算した上限です。両方を申請する場合は合計で50万円が上限になります。
- •実績報告書に記載した金額が交付決定額を超えた場合は、交付決定額が補助上限額となります。
- •提出書類に不備がある場合や、審査の過程で追加書類の提出・現地調査を求められる場合があります。対応いただけない場合、審査を進めることができません。
- •本記事は2026年9月時点の「令和8年度 岡崎ものづくり支援補助金 募集要領」に基づきます。制度は変更される場合があるため、申請前に必ず岡崎ものづくり推進協議会(岡崎商工会議所内)の最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q3つの事業区分のうち、どれに申請すればよいか迷っています。
他の事業者とのマッチングサービスを使いたい場合はプラットフォーム活用事業、大学や試験研究機関に試験を依頼したい場合は依頼試験事業、特許出願や審査請求の費用を抑えたい場合は知的財産権取得事業を検討するのが基本的な考え方です。判断に迷う場合は、申請前の事前相談で岡崎ものづくり推進協議会事務局にご確認ください。
Q依頼試験事業と共同研究事業を両方申請できますか。
どちらも申請すること自体は可能ですが、補助限度額は合算で50万円です。依頼試験事業と共同研究事業をあわせて申請する場合、両方の補助額の合計が50万円を超えることはありません。
Q個人事業主でも対象になりますか。
「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出した個人事業主で、日本標準産業分類の大分類Eに分類される製造業を営み、市内に本社機能または製造を行う工場を6か月以上引き続き有し、市税を完納していれば対象になり得ます。法人・個人を問わず、3つの要件をすべて満たすことが基準です。
Q特許出願前でも知的財産権取得事業に申請できますか。
補助対象経費には特許出願・特許出願審査請求に係る手数料相当額が含まれ、実績報告時には特許出願番号が記載された出願・審査請求書の写しの提出が必要です。申請可能なタイミングは個別の状況によって異なる可能性があるため、断定はできません。事前相談の際に岡崎ものづくり推進協議会事務局へご確認ください。
Qプラットフォーム活用事業の対象になるサービスの条件はありますか。
プラットフォーム内で小売りを主目的としないこと、プラットフォームへの登録企業数が50社以上であることの2つが要件とされています。利用を検討しているサービスがこれらの条件を満たすかどうか、事前相談の際にあわせて確認することをおすすめします。
Q国や県の補助金と併用できますか。
国又は県の補助金を活用する事業については、岡崎ものづくり支援補助金を申請することはできません。同じ取り組みで他の補助金の活用を検討している場合は、どちらを利用するか事前に整理しておく必要があります。
Q自分で申請できますか。行政書士に依頼するメリットはありますか。
事前相談から書類提出まで自社で対応することも可能な制度ですが、事業区分ごとに必要書類が異なり、経費明細表や事業計画書の作成、実績報告時の証憑整理など、手間のかかる工程が複数あります。行政書士法人クロノスでは、区分の選び方の整理から申請書類の準備まで、あわせてサポートしています。
公式情報(一次情報)
- 岡崎ものづくり推進協議会「岡崎ものづくり支援補助金」
- 令和8年度 岡崎ものづくり支援補助金 募集要領(PDF)
- 岡崎ものづくり支援補助金 案内チラシ(PDF)
- Jグランツ「岡崎ものづくり支援補助金(プラットフォーム活用事業)」
- Jグランツ「岡崎ものづくり支援補助金(依頼試験事業)」
- Jグランツ「岡崎ものづくり支援補助金(知的財産権取得事業)」
- 岡崎市「ものづくり企業への支援制度等について」
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
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