事業承継を契機とした成長支援事業とは?
「先代から会社を引き継いだ。この機会に新しい事業を始めたいが、設備やシステムの投資が重い」。そんな東京都内の後継者のための助成金です。承継後の新規事業展開にかかる経費の3分の2以内、最大800万円を助成し、経営アドバイザーの派遣も受けられます。令和8年度第2回の申請受付は9月30日16時までです。制度の要点と、面接審査まで見据えた準備のポイントを解説します。
最終更新日: 2026.09.20|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな助成金?(制度概要)
事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する助成金です。先代の経営者から代表権を引き継いだ後継者が、事業承継をきっかけに新しい事業展開に取り組む場合に、その経費の一部を助成し、あわせて経営アドバイザーを派遣して取組を後押しします。承継そのものの費用や、承継後に現状を維持するための投資は対象になりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース) |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 対象者 | 令和3年4月1日から申請日の前日までに事業承継を行い、承継を契機として新規事業展開に取り組む都内の中小企業者(個人事業者を含む) |
| 助成限度額 | 800万円(千円未満切り捨て) |
| 助成率 | 助成対象経費の3分の2以内。賃金引上げ計画を策定し達成した場合は4分の3以内(小規模企業者は5分の4以内) |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最大1年間 |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要) |
| 第2回申請受付 | 令和8年9月1日9時から9月30日16時まで |
| 面接審査 | 令和8年12月11日から17日のいずれか1日(原則対面) |
| 交付決定 | 令和9年1月上旬(予定) |
対象となる取組は、募集要項で次のように例示されています。業務用空気清浄機のメーカーが家庭用の小型製品を開発する、飲食店向けの食材卸が一般消費者向けにレトルト食品や冷凍品を販売する、美容室が隣に写真館を新設してセットでサービスを提供する、印刷会社が専用の加工機を導入してアクリルグッズを製作販売する、といった「新たな顧客や市場に向けた事業展開」や「自社にない技術や設備の導入による事業展開」です。一方で、内部システムの更新のように売上増加に直接つながらない取組、老朽化した設備の入替、既存製品の単なる改良は対象外とされています。
令和8年度第2回募集のポイント
- •申請受付は令和8年9月1日9時から9月30日16時まで。Jグランツによる電子申請のみで、GビズIDプライムのアカウントが必要です。書類でアカウントを申請する場合、発行までの審査に1週間程度かかるとされています
- •予算に到達した場合は、受付期間内であっても受理されないことがあります。締切日ぎりぎりの申請は避けたい制度です
- •書類審査を通過した事業者には面接審査があり、令和8年12月11日から17日のいずれか1日、原則対面で1時間程度行われます。日程の変更はできません
- •交付決定は令和9年1月上旬の予定です。助成対象になるのは交付決定日以降に契約し、1年以内に支払まで完了する経費なので、年内に発注したい投資には使えません
- •賃金引上げ計画を策定して達成すると、助成率が3分の2から4分の3(小規模企業者は5分の4)に上がります
- •同じ制度に販路開拓コース(助成限度額300万円)があり、第2回募集は令和8年10月13日から11月12日16時までの予定です(公社の販路開拓コースページによる)。一般コースとの併願はできません
一般コースと販路開拓コース
事業承継を契機とした成長支援事業には、一般コースと販路開拓コースの2つがあります。新製品や新サービスの開発、設備やシステムの導入を伴う取組は一般コース、既存の製品やサービスも含めた販路開拓が中心なら販路開拓コースが候補になります。両コースの併願はできません。
| 項目 | 一般コース | 販路開拓コース |
|---|---|---|
| 助成限度額 | 800万円 | 300万円 |
| 助成率 | 3分の2以内(賃金引上げ計画の達成で4分の3、小規模企業者は5分の4) | 3分の2以内 |
| 対象となる取組 | 新たな顧客や市場に向けた新規事業展開、新技術や新設備の開発・導入による新規事業展開 | 新たな販路開拓。既存の製品やサービスの販路開拓も対象 |
| 主な対象経費 | 原材料費、機械装置費、委託・外注費、設備等導入費、システム等導入費、販売促進費など11区分 | 市場調査費、専門家指導費、販売促進費、展示会出展費 |
| 令和8年度第2回の受付 | 9月1日から9月30日16時まで | 10月13日から11月12日16時まで(予定) |
助成上限額・助成率
| 区分 | 助成率 | 助成限度額 |
|---|---|---|
| 通常 | 助成対象経費の3分の2以内 | 800万円 |
| 賃金引上げ計画を達成した中小企業者 | 助成対象経費の4分の3以内 | 800万円 |
| 賃金引上げ計画を達成した小規模企業者 | 助成対象経費の5分の4以内 | 800万円 |
助成額は、経費区分ごとに税抜の助成対象経費に3分の2を乗じて計算し(千円未満切り捨て)、合計が800万円を超える部分は自己負担になります。公社のFAQでは、税抜300万円の備品を購入した場合、助成金は200万円で、残りの100万円と消費税30万円は事業者の負担になると説明されています。限度額の800万円まで活用するには、通常の助成率(3分の2)なら税抜で1,200万円以上、賃金引上げ計画を達成する場合(4分の3)なら約1,067万円以上、賃金引上げ計画を達成した小規模企業者(5分の4)なら1,000万円以上の助成対象経費が必要です。
小規模企業者とは、製造業その他の業種で常時使用する従業員が20人以下、商業(卸売業・小売業)とサービス業で5人以下の事業者を指します。賃金引上げ計画による特例の助成率は、計画を達成したことが確認された後に2回目の交付として上乗せ分が支払われる仕組みです。
対象となる事業者・要件
申請には、募集要項に定められた要件をすべて満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。
- •都内の中小企業者であること。会社(株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、有限会社)と個人事業者が対象で、大企業が実質的に経営に参画していないこと
- •申請受付開始日の時点で、本店の登記が都内にあること。本店が都外の場合は、実施場所が都内で、都内に支店の登記があれば要件を満たします。個人事業者は開業届で都内の納税地や事業所が確認できること。都内で実質的に事業を行っている実態があること
- •令和3年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継を行ったことを、登記簿や株主名簿などの書類で証明できること
- •法人の場合、後継者以外に拒否権付種類株式(いわゆる黄金株)が付与されていないこと
- •この事業で過去に交付決定を受けていないこと(不採択となった場合の再申請は可能です)
- •取組の実施場所が、自社が所有または賃借する都内の事業所であること。都内に本店の登記があれば、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県の事業所も認められます
- •同一のテーマや内容で、公社、国、都道府県、区市町村などから助成を受けていないこと。公社が実施する他の助成事業との併願はできません
- •事業税等の滞納がないこと、東京都や公社への賃料などの未払いがないこと、民事再生法や会社更生法の申立てなど事業の継続が不確実な状況にないこと、過去5年間に公的な助成事業で不正を行っていないこと、取組に必要な許認可を取得していること(助成対象期間中の取得も可)、暴力団関係者など反社会的勢力に該当しないこと(誓約書の提出が必要)
中小企業者に当たるかどうかは、業種ごとに資本金または常時使用する従業員数で判定します(いずれか一方を満たせば該当します)。常時使用する従業員には、パートやアルバイトなど解雇の予告が必要な人員を含み、会社の役員、個人事業主本人、家族従業員は含みません。放送業や映像・音声・文字情報制作業などはサービス業として扱われます。
| 業種 | 資本金または常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業、情報通信業(ソフトウェア業、情報処理サービス業を含む。放送業、映像・音声・文字情報制作業などはサービス業として判定)、その他の業種 | 資本金3億円以下または従業員300人以下 |
| ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ、チューブ、工業用ベルトの製造業を除く) | 資本金3億円以下または従業員900人以下 |
| 卸売業 | 資本金1億円以下または従業員100人以下 |
| サービス業(旅館業を除く) | 資本金5,000万円以下または従業員100人以下 |
| 旅館業 | 資本金5,000万円以下または従業員200人以下 |
| 小売業(飲食業を含む) | 資本金5,000万円以下または従業員50人以下 |
事業承継の類型は、法人と個人事業者で次のように定められています。どの類型に当たるかで、提出する証明書類が変わります。
| 類型 | 要件 | 主な証明書類 |
|---|---|---|
| 法人(同一法人内の承継) | 承継期間内に代表権が移転し(後継者が代表に就任し、先代が退任)、後継者または後継者が代表を務める別法人が株主であること(合同会社などの持分会社の場合の証明方法は募集要項に従い、公社へ事前確認) | 履歴事項全部証明書(発行後3か月以内)、株主名簿。令和5年1月1日より前の代表者変更は閉鎖事項全部証明書も必要 |
| 法人(M&Aによる事業譲渡) | 後継者が譲受会社の代表で、後継者側が株主であること。承継期間内に事業の全部または重要な部分を引き継ぎ、譲渡会社が廃業していること | 譲受会社の履歴事項全部証明書、譲渡会社の閉鎖事項全部証明書、株主名簿、事業譲渡契約書など |
| 法人(M&Aによる株式譲渡) | 後継者が譲受会社の代表で、承継期間内に譲渡会社の株式が後継者側に移転し、譲渡会社の代表者が退任していること | 譲受会社と譲渡会社の履歴事項全部証明書、株主名簿、株式譲渡契約書など |
| 個人事業者 | 承継期間内に後継者が開業し、先代が廃業していること。先代から後継者へ事業用資産が引き継がれていること | 後継者の開業届、先代の廃業届、事業用資産の贈与契約書や売買契約書など |
- −医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、NPO法人などは中小企業者に該当せず対象外です
- −代表者は交代したものの、先代が株式を持ったままで、後継者(または後継者が代表を務める別法人)が株主になっていない場合は、同一法人内の承継の要件を満たしません(株式会社の場合。合同会社などの持分会社は募集要項の定めに従い、公社へご確認ください)
- −風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する風俗関連業、ギャンブル業、連鎖販売取引などの業態は対象外です
助成対象経費
助成対象になるのは、取組の実施に必要最小限で、審査で認められた経費です。交付決定日から1年間の助成対象期間内に、契約、実施、支払のすべてが完了するものに限られます。経費区分は次の11区分です。
- •原材料・副資材費(新製品や新サービスの開発に直接使い、期間中に使い切る材料や部品)
- •機械装置・工具器具費(製造機械、計測機器、試作金型など。税抜10万円未満の物品は対象外)
- •委託・外注費(開発の一部の外部委託、共同研究費、市場調査費。市場調査費だけの申請はできません)
- •産業財産権出願・導入費(特許、実用新案、意匠、商標の出願費用や実施許諾の費用)
- •規格等認証・登録費(認証機関への申請手数料や審査費用など)
- •設備等導入費(設備や備品の購入費と設置工事に直接必要な経費。税抜10万円未満は対象外)
- •システム等導入費(システム構築、ソフトウェアやハードウェアの導入、クラウド利用料(従量課金方式は対象外)など。パソコンは対象外)
- •専門家指導費(外部専門家の謝金や交通費。この区分だけの申請はできません)
- •不動産賃借料(取組のために新たに借りる事務所や施設の賃料。敷金、礼金、仲介手数料などは対象外)
- •販売促進費(自社Webサイト制作、印刷物、PR動画、広告、展示会出展、ECモール出店の初期登録料など。募集要項の助成対象経費の区分表でこの区分の上限額は200万円(対象経費として計上できる上限。助成額はこれに助成率を乗じた額)とされ、この区分だけの申請はできません。既存事業の販売促進は対象外)
- •その他経費(他の区分に属さない、取組に直接必要な経費。募集要項の助成対象経費の区分表でこの区分の上限額は100万円(対象経費として計上できる上限)とされ、この区分だけの申請はできません)
- −交付決定前に発注や契約をした経費、助成対象期間内に支払が完了しない経費
- −直接人件費、消費税や印紙代、振込手数料、通信費、光熱費、交通費などの間接経費、支払利息
- −土地、建物、車両の購入費、パソコンや文書作成ソフトなど汎用性の高い物品、中古品
- −親会社や子会社、役員や代表者の三親等以内の親族が経営する会社、顧問契約やコンサルタント契約を結んでいる会社との取引にかかる経費
- −再委託が行われている経費、市場相場より著しく高額な経費、手形や小切手で支払った経費
- −申請手続きへの助言や書類作成の支援に対する報酬(専門家指導費の対象外とされています)
販売促進費、その他経費、専門家指導費、委託・外注費のうち市場調査費は、単独では申請できません。これらだけを組み合わせても助成対象にならないため、機械装置や設備、システム、開発の委託といった中核となる経費が必要です。
スケジュール(第2回)
| 段階 | 時期 |
|---|---|
| 申請受付 | 令和8年9月1日9時から9月30日16時まで |
| 書類審査の結果通知 | 受付締切から概ね2か月程度(公社FAQによる)。面接の対象者には面接日程が約3週間前にメールで通知されます |
| 面接審査 | 令和8年12月11日(金)から12月17日(木)のいずれか1日、1時間程度 |
| 交付決定 | 令和9年1月上旬(予定) |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最大1年間(契約、実施、支払をすべて期間内に完了) |
| アドバイザー派遣 | 1回目は交付決定からおおむね2か月以内、2回目は完了検査時(2回とも必須) |
| 実績報告 | 取組の完了後、原則1か月以内 |
| 助成金の支払 | 完了検査と額の確定を経て、請求書の提出から1か月程度 |
助成金は精算払い(後払い)です。交付決定は助成金の上限額が決まった状態であり、事業者が自己資金で取組を実施し、実績報告と完了検査を経て額が確定した後に支払われます。実施段階の資金は事業者が用意する必要があるため、資金計画には十分な注意が必要です。賃金引上げ計画を申請した場合は、計画期間(取組完了日の属する月の翌月から最大12か月)の終了後に達成状況が確認され、上乗せ分が2回目として交付されます。
申請の流れ
GビズIDプライムを取得する
Jグランツでの電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。すでに取得している場合は登録内容を確認し、未取得なら早めに申請します。
申請要件と事業承継の類型を確認する
履歴事項全部証明書や株主名簿で、代表権の移転時期と株主構成を確認し、どの承継類型に当たるかを整理します。本店の所在地や実施場所の要件もここで確認します。
申請様式(事業計画)を作成する
公社の申請様式(Excel)に、自社を取り巻く環境のSWOT分析(自社の強みと弱み、機会と脅威を整理する分析)、現在の事業、承継を契機とした新たな取組の内容と新規性の根拠、取組効果、実施体制、助成事業終了後3年間の収益計画、市場動向と顧客獲得策、今後の展望、月別のスケジュール、経費の明細、資金調達の内訳を記入します。
見積書と添付書類をそろえる
一契約あたり税抜30万円以上の経費には見積書(その他経費は金額にかかわらず全件)、税抜100万円以上は2社以上の相見積が必要です。誓約書2種、事業承継の証明書類、納税証明書、定款、直近2期分の確定申告書一式などもそろえます。
Jグランツで申請する
受付期間内にJグランツへ必要事項を入力し、申請様式と添付書類をアップロードします。申請後の追加提出や差替えはできないため、提出前に全件を確認します。行政書士などに書類作成を依頼する場合も、Jグランツ上での最終確認と提出は申請者自身が行います。
書類審査
専門家が、新規性、必要性・市場性、実現性、優秀性、自己分析力の5つの視点で審査します。一定の水準に達した事業者が面接審査に進みます。
面接審査
申請書の内容に基づき、原則対面で1時間程度の面接が行われます。出席できるのは代表者、役員、従業員のうち最大2名で、顧問や経営コンサルタントの同席、代理出席はできません。
交付決定と取組の実施
交付決定通知を受けてから発注や契約を始め、1年以内に支払まで完了させます。交付決定からおおむね2か月以内に1回目のアドバイザー派遣があります。取組内容の変更は原則できず、やむを得ない場合は事前に公社の承認が必要です。
実績報告から助成金の受け取りまで
取組完了後、原則1か月以内に実績報告書と経理書類(契約書、納品書、請求書、振込控など)を提出します。完了検査(2回目のアドバイザー派遣)と額の確定を経て請求書を提出し、1か月程度で助成金が支払われます。
申請前に押さえたいポイント
面接では後継者本人が自分の言葉で説明します
面接審査には顧問や経営コンサルタントが同席できず、行政書士も同席できません。申請書の内容を後継者本人が説明できることが前提になるため、事業計画は本人の構想をもとに組み立て、想定問答を準備しておくことが大切です。専門家に依頼する場合も、計画づくりの主体はあくまで事業者自身です。
助成金は後払いで、発注は交付決定後です
交付決定後、事業者がいったん全額を支払い、実績報告と完了検査を経てから助成金が支払われます。申請様式には資金調達の内訳と進捗状況を記入する欄があるため、借入を予定する場合は金融機関との相談を早めに始めておくと計画に説得力が出ます。助成対象になるのは、交付決定日(令和9年1月上旬予定)以降に契約し、1年以内に支払まで完了した経費だけです。見積は交付決定前に取っても構いませんが、発注や契約は交付決定を待つ必要があります。クレジットカード払いは口座からの引き落としまで期間内に完了することが条件です。
申請後の追加提出や差替えはできません
公社のFAQでは、申請後の書類の追加提出や差替えはできず、不足があれば不採択になると明記されています。ファイル名の規則(法人名、書類名、提出日付)も定められているため、提出前のチェックリストで全件を突き合わせることをおすすめします。
賃金引上げ計画の特例は無理に使わないのも選択肢です
特例を受けるには、常時使用する従業員の給与等総額を基準期間より2.0パーセント以上増やし、事業所内の最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くする計画を策定して実行する必要があります。上乗せ分は原則として達成の確認後に2回目として交付されるため、達成できなかった場合は2回目を受け取れないことになります。計画期間の途中で達成とみなされて上乗せ分が先に交付されたあとに未達が確認された場合は、返還を求められることがあります。人員増や賃上げをすでに予定している場合に活用を検討し、社会保険労務士などの専門家に賃金台帳の整備をあわせて相談すると安心です。
注意点
- •令和8年度第2回募集の申請受付は令和8年9月30日(水)16時までです。予算に到達した場合は受付期間内でも受理されないことがあるため、余裕をもって申請することをおすすめします。
- •交付決定前に発注や契約をした経費は助成対象になりません。助成対象期間は交付決定日から最大1年間で、契約、実施、支払をすべて期間内に完了する必要があります。
- •面接審査は原則対面で行われ、出席できるのは代表者、役員、従業員のうち最大2名です。顧問や経営コンサルタントの同席、代理出席はできません。
- •交付決定を受けた場合、事業者の名称、代表者名、所在地、取組内容が公表されます。申請をもって公表に同意したものとして扱われます。
- •同一のテーマや内容で、国や他の自治体の補助金と二重に助成を受けることはできません。併願は可能ですが、両方で採択された場合は一方を辞退することになります。
- •本記事は2026年9月3日時点の東京都中小企業振興公社の公式ページ、令和8年度第2回募集要項、FAQ(2026年5月18日版)に基づきます。要件や金額は募集回によって変わることがあるため、申請前に最新の募集要項を必ずご確認ください。
よくある質問
Qどのような事業者が対象になりますか。
令和3年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継を行い、その承継をきっかけに新規事業展開に取り組む東京都内の中小企業者(個人事業者を含む)が対象です。法人の場合は承継の類型によって要件が異なります。同一法人内の承継では、代表権の移転に加えて後継者(または後継者が代表を務める別法人)が株主であることが必要です。M&Aによる承継では、後継者が譲受会社の代表であることに加え、事業譲渡なら事業の引継ぎと譲渡会社の廃業、株式譲渡なら株式の移転と譲渡会社の代表者の退任が求められます。合同会社などの持分会社は、募集要項の定めに従い公社へ事前にご確認ください。
Q事業承継から何年以内であれば申請できますか。
令和3年4月1日から申請日の前日までの間に事業承継が完了していれば対象になり得ます。令和8年度第2回募集では、2021年4月以降の承継が範囲に入ります。承継の時期は履歴事項全部証明書などの書類で確認されます。
Q本店が東京都外にある場合や、都外の事業所で取り組む場合は申請できますか。
本店の登記が都外でも、実施場所が都内で、都内に支店の登記があれば申請できます。逆に本店が都内にある場合は、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県の事業所で取り組む計画も認められます。それ以外の地域は対象外です。
Q助成金はいつ受け取れますか。
助成金は後払いです。交付決定(令和9年1月上旬予定)の後に取組を実施し、完了後1か月以内に実績報告を行い、完了検査と額の確定を経て請求書を提出すると、1か月程度で支払われます。助成対象期間は交付決定日から最大1年間で、取組を終えてから実績報告・検査・請求を経て支払われるため、申請から入金までは取組にかける期間に応じて相応の時間がかかります。助成金は後払いである前提で、必要な資金は自己資金や融資で先に確保しておく必要があります。
Q不採択になった場合、再度申請できますか。
公社のFAQでは、不採択となった場合は再度の申請が可能とされています。一方、この事業で交付決定を受けたことがある事業者は申請できません。
Q行政書士に相談すると、面接審査にも同席してもらえますか。
できません。面接審査に出席できるのは事業者の代表者、役員、従業員に限られ、顧問や経営コンサルタント、行政書士などの同席や代理出席は認められていません。行政書士に依頼する場合は、要件の確認、事業計画や申請書類の作成、面接に向けた想定問答の準備といった事前のサポートが中心になります。また、行政書士に申請書類の作成を依頼した場合も、Jグランツ上での最終確認と提出は事業者ご自身に行っていただきます。
Q石川県の行政書士法人に、東京都の助成金の相談ができますか。
できます。行政書士法人クロノスは石川県かほく市の事務所ですが、ヒアリングや書類のやり取りはオンラインで行えるため、東京都の制度でも対応しています。この制度は申請も電子申請で完結し、面接審査は事業者ご本人が出席するため、所在地による支障はありません。
公式情報(一次情報)
- 東京都中小企業振興公社「事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)」
- 令和8年度 事業承継を契機とした成長支援事業(一般コース)第2回募集要項(PDF)
- 事業承継を契機とした成長支援事業 FAQ(PDF)
- 東京都中小企業振興公社「事業承継を契機とした成長支援事業(販路開拓コース)」
- デジタル庁「GビズID」
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
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事業承継・M&A補助金
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最大補助額:9,000万円
都内商店街での開業助成金
東京都内の商店街で実店舗を開業する方に、工事・設備・広告費と3年分の家賃の一部を助成。女性または令和9年3月31日時点で39歳以下の男性が個人で開業する場合は助成率4分の3・最大844万円、それ以外は3分の2・最大694万円。
最大844万円(商店街起業・承継支援事業は最大694万円)
いしかわクリエイトラボ賃貸料支援事業
能美市が、いしかわクリエイトラボに新たに入居した中小企業に対し、建物賃貸料年額の10%を最大3年間補助する制度です。初期投資軽減を目的とした賃貸料支援です。
建物賃貸料年額の10%(3年間)
いしかわフロンティアラボ・クリエイトラボ賃貸料支援事業
能美市が、いしかわサイエンスパークの賃貸施設(フロンティアラボ・クリエイトラボ)に新たに入居した中小企業に対し、賃貸料年額の10%を最大3年間補助する制度です。
賃貸料年額の10%(3年間)
かほく市中小企業特許権取得促進助成金
市内に主たる事業所を持ち1年以上事業を営む中小企業者向けの助成金です。特許の出願審査請求手数料を助成率2分の1以内、1年度10万円を上限に助成します。
1年度あたり上限10万円(出願審査請求手数料の2分の1以内)