中小企業成長加速化補助金とは?
「売上は伸びている。次の工場や設備に踏み出す決め手がほしい」。そんな売上高10億円以上100億円未満の経営者に向けて、最大5億円を補助する国の制度を、一次情報(公募要領Ver1.4と公式FAQ)に基づいて整理しました。申請には、100億宣言の公表、投資額1億円以上、年平均4.5%以上の賃上げ計画という高い条件があります。3次公募の締切は2026年11月12日15時(当初の10月29日から延長)です。自社が対象になり得るかを見極める手がかりにしてください。
最終更新日: 2026.10.13|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資に取り組む中小企業を支援する、国の補助金です。売上高100億円規模の企業は賃金水準が高く、地域経済への波及効果も大きいため、そうした成長企業を増やすことが目的とされています。制度を所管するのは中小企業庁で、受付や審査の事務は事務局(TOPPAN株式会社)が担当します。
この補助金の大きな特徴は、申請の前に「100億宣言」を公表しておく必要があることです。100億宣言とは、売上高10億円以上100億円未満の中小企業が「売上高100億円を目指す」と宣言し、その内容を中小企業基盤整備機構(中小機構)の「100億企業成長ポータル」に公表する仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 内容:中小企業成長加速化補助金 |
| 所管・事務局 | 内容:中小企業庁(所管)、TOPPAN株式会社(事務局) |
| 補助上限額・補助率 | 内容:5億円・補助対象経費の1/2 |
| 投資額の要件 | 内容:1億円以上(税抜)。建物費・機械装置費・ソフトウェア費のうち、固定資産として計上するもの(資産計上分)の合計 |
| 補助事業期間 | 内容:交付決定日から24か月以内 |
| 対象者 | 内容:売上高10億円以上100億円未満の中小企業者で、100億宣言を公表済みの事業者 |
| 申請方法 | 内容:Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要) |
| 現在の公募 | 内容:3次公募(2026年9月29日から11月12日(木)15時まで) |
| 確認した公募要領 | 内容:Ver1.4(2026年9月29日更新) |
今回(3次公募)のポイント
- •受付期間は2026年9月29日から11月12日(木)15時までです。当初の10月29日締切から、9月29日に延長が案内されました。
- •100億宣言は申請時までに公表されている必要があり、公表には通常2〜3週間かかります。3次公募に間に合わせるには、2026年10月26日(月)までに宣言を申請するよう公式に案内されています(2026年10月9日のお知らせ。10月27日以降の申請は、締切までに公表が間に合わない可能性があるとされています)。
- •事務局による書類の不備確認を受けられるのは、締切の5営業日前にあたる11月5日(木)までに提出した書類です。
- •令和7年度補正予算分は3次公募で終了する見込みとされ、4次公募の予定は出ていません。今後については、100億企業成長ポータルで随時案内するとされています。
2次公募から変わった主な点は次のとおりです。
- •投資額1億円以上の要件の判定に算入するのは、資産計上する建物費・機械装置費・ソフトウェア費に限られます(借用料や利用料などは、補助対象経費になり得ても算入しません)。外注費と専門家経費も、対象資産の取得のためのものに限られます
- •審査で見る売上高に対する設備投資額の比率が、「本補助事業を含む」から「本補助事業に限る」になりました
- •補助事業の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」の評価が、公募要領に明記されました
- •賃上げ要件の基準年度・最終年度の定義が整理され、基準年度の給与が直近事業年度を下回った場合の全額返還が明記されました
古い情報にご注意ください
検索結果には、締切を10月29日としたままのページが残っています。補助事業期間も9月29日改訂のVer1.4で変更されています。本記事は2026年10月1日時点のVer1.4と公式FAQ(Ver1.1)に基づきます。
申請の形(単独・共同)
申請は単独が原則で、1事業者につき1案件までです(リース会社を除く)。親会社が議決権の50%超を持つ子会社や、代表者が同じ会社は「みなし同一法人」とされ、いずれか1社しか申請できません。複数の事業者で組む共同申請(コンソーシアム)も認められますが、参加者の全員が事業者の範囲を満たし、100億宣言と賃上げ要件も原則として各社が対応する必要があります。投資額1億円以上の要件は補助事業全体(共同申請者の合計)で満たしたうえで、参加者の中に投資額(資産計上する建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計)5,000万円以上の中小企業者を1社以上含めることも条件です。設備をリースで導入する場合は、リース会社との共同申請になります。
補助上限額・補助率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 内容:補助対象経費の1/2 |
| 補助上限額 | 内容:5億円 |
| 上限に達する経費の目安 | 内容:補助対象経費の合計が10億円のとき(10億円×1/2=5億円。当サイト試算)。実際の補助額は、交付申請での経費の精査と確定検査で決まります |
| 投資額1億円の場合 | 内容:投資額1億円の全額が補助対象経費として認められる場合、その経費に対する補助額は計算上5,000万円です(当サイト試算。実際の交付額の下限を示すものではありません)。公式に「補助下限額」という用語はなく、投資額1億円以上が要件です |
| 消費税 | 内容:補助対象経費は消費税を除いた金額で計算します(免税事業者・簡易課税事業者などは消費税を含められます) |
| 支払い方法 | 内容:原則として精算払い(事業完了後の確定検査を経てから支払い) |
| 収益納付 | 内容:求められません |
申請した補助金額が、そのまま交付決定額になるわけではありません。採択後の交付申請で経費が精査され、確定検査で金額が確定します。確定額が交付決定額に届かないこともあります。
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-10)
対象者・申請要件
対象になるのは、次の4つの要件をすべて満たし、事業者の範囲にも当てはまる中小企業者です。
- •投資額(建物費・機械装置費・ソフトウェア費の資産計上分の合計で、外注費と専門家経費は含みません)が、1億円以上(税抜)であること。共同申請の場合は共同申請者の合計で判定し、参加者の中に投資額5,000万円以上の中小企業者が1社以上必要です
- •補助金の申請時までに、100億宣言が公表されていること
- •一定の賃上げ要件を満たす、今後5年程度の事業計画を策定すること
- •日本国内で補助事業を実施すること
事業者の範囲は次のとおりです。
- •中小企業等経営強化法の中小企業者であること。業種ごとに資本金または従業員数のどちらか一方が基準以下なら該当します(製造業・建設業・運輸業などは3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下)
- •売上高が10億円以上100億円未満であること。直近決算期の売上高、または直近3期分の平均で判断され、決算期間が12か月未満の期は対象に含めません
- •日本国内に本社と補助事業の実施場所があり、収益事業を行っていること
- •公募開始日時点で、申告済みの直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
- •みなし大企業(大企業が発行済株式の2分の1以上を持つなど、実質的に大企業の支配下にある中小企業者)に当たらないこと。みなし同一法人(親会社が議決権の50%超を持つ子会社や、代表者が同じ会社)に当たる場合は対象外にはなりませんが、グループ内でいずれか1社しか申請できません
- −医療法人、社会福祉法人、財団法人・社団法人(公益・一般)、法人格のない任意団体は対象外です
- −過去の公募で交付決定を受けた事業者(みなし同一法人を含む)は、3次公募に申請できません。過去に応募して交付決定を受けていない場合は申請できます
- −更新投資(老朽化した設備の入れ替えなど、生産能力が向上しない投資)、研究開発、農業・林業・漁業にあたる事業、実施の大半を外注して企画だけを行う事業は対象になりません
賃上げ要件と100億宣言
賃上げ要件の基本は年平均4.5%以上
従業員(非常勤を含む)1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、基準年度から最終年度にかけて4.5%以上になる計画が必要です。4.5%は、全国の最低賃金の直近5年間の年平均上昇率です。基準年度は補助事業が完了した日を含む事業年度、最終年度は基準年度から3事業年度目です。申請時に、目標を「給与支給総額」と「1人当たり給与支給総額」のどちらにするか選び、変更はできません。給与支給総額を選んでも、1人当たりの上昇率4.5%以上は必要です。
未達成のときは補助金の返還を求められます
目標に届かなかった場合は、未達成率に応じて返還を求められます(天災など責めに帰さない理由がある場合を除く)。たとえば目標が年6.0%で実績が年5.1%なら、達成率は85%、未達成率は15%です。基準年度の給与が応募時の直近事業年度を下回った場合と、交付決定までに目標を従業員等へ表明しなかった場合は、全額返還です。給与は賃金台帳で確認され、役員報酬、通勤費、福利厚生費は含まれません。
足下の賃上げも審査されます
補助事業の完了を待たずに行う「足下の賃上げ」も評価されます。応募時の直近決算期から基準年度までの1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、物価上昇率を上回る程度に届かない計画は、審査上大幅に不利です。参考値は2025年の消費者物価指数(総合)の上昇率3.2%で、2次公募の採択者の足下の賃上げは平均3.3%、中央値3.0%でした。この賃上げの目標も、交付決定までに従業員等へ文書で表明する必要があります。
100億宣言は書き方にルールがあります
宣言には、売上高100億円の目標と達成予定年、実現に向けた具体的な措置、経営者のメッセージなどを、所定の様式(様式1)に記載します。記載内容はすべてそのまま公表され、一部を非公開にすることはできません。達成予定年は「20〇〇年に」のように年表記で書き、年度表記や「〜年までに」は認められません。ひな形の項目は全て記載が必須で、漏れがあると掲載されません。
自社は対象か?チェックリスト
自社が対象になり得るかの確認用です。すべてに当てはまる見込みなら、申請を検討できます。迷う項目は、事務局への確認をおすすめします。
- •直近決算期(または直近3期の平均)の売上高が10億円以上100億円未満である
- •業種ごとの中小企業者の基準を満たし、医療法人・社団・財団などではない
- •みなし大企業に当たらない(みなし同一法人に当たる場合は、グループ内で申請を1社にまとめている)
- •申告済みの直近3年分の課税所得の年平均額が15億円以下である
- •資産計上する建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計が、税抜で1億円以上ある(共同申請の場合は共同申請者の合計で1億円以上、かつ参加者の中に5,000万円以上の中小企業者が1社以上)
- •生産能力が向上する投資である(生産能力が向上しない単なる更新投資、研究開発、1次産業などではない)
- •100億宣言が公表済み、または申請時までに公表される見込みである
- •年平均4.5%以上の賃上げ目標を掲げて従業員等へ表明できる(申請要件)。あわせて、足下の賃上げを物価上昇率を上回る計画にできるか(要件ではなく、審査で重視される点)
- •過去の公募で交付決定を受けておらず、今回の申請は同じグループで1件だけである
- •交付決定から完了までの立替資金(自己資金や融資)の見通しがある。金融機関の確認書は任意ですが、依頼する場合は相談先の金融機関がある
- •経営者本人が、40ページ以内の投資計画書の内容をプレゼンで説明できる
補助対象経費
補助対象になるのは、事業の拡大につながる有形・無形の資産への投資です。交付決定日以降に契約(発注)し、補助事業期間内に納品、検収、支払いまで終えた経費が対象です。経費は次の5区分です。
- •建物費:補助事業の実施に不可欠と認められる、補助事業専用の事務所、生産施設、倉庫などの建設、増築、改修、中古建物の取得(付帯工事や土地造成を含む。中古建物の取得には、見積書に加えて業者選定理由書などの提出が必要です)
- •機械装置費:補助事業専用の機械装置、工具・器具の購入、製作、借用と、一体で行う改良、修繕、据付け、運搬
- •ソフトウェア費:補助事業専用のソフトウェアや情報システムの購入、構築、借用、クラウドサービスの利用
- •外注費:対象となる建物・機械装置・ソフトウェアの取得に必要な加工、設計、検査などの一部を外注する経費
- •専門家経費:対象資産の取得のために依頼した専門家への経費(謝金には1日あたりの上限があります)
建物費・機械装置費・ソフトウェア費は、1件の単価が100万円(税抜)以上のものが対象です。外注費と専門家経費の合計は、投資額未満に収めます。なお、資産計上しない借用料(レンタル等)やクラウドサービスの利用料は、補助対象経費になり得ても投資額1億円以上の判定には算入されません。リース会社との共同申請でリース会社が取得する設備の扱いは、公募要領の定めに従います。
- −土地代、補助事業の実施に不可欠とは認められない建物の単なる購入や賃貸(上記の要件を満たす中古建物の取得は対象)、門・塀・駐車場などの構築物、車両
- −パソコン・タブレット・スマートフォンの本体、事務用の家具など汎用性のある物
- −自社の人件費、事務所の家賃・光熱水費、通信費、税務申告や訴訟のための税理士・弁護士への費用、保険料
- −応募や交付申請の書類・投資計画の作成費用、事業化の計画づくりのコンサルティング費用、研究開発費
- −同一の代表者や役員がいる事業者、みなし同一法人、資本関係がある事業者への支払い
支払いは銀行振込に限られます。原則として2者以上の相見積が必要で、応募時に複数社から見積を取っておけば、仕様に変更がなく期限内であれば、交付申請時に取り直さなくてよい場合があります。抵当権の設定には事務局の事前承認が必要で、根抵当権は認められません。
スケジュール
3次公募の日程は次のとおりです。日程は予定で、変更されることがあります。
| 段階 | 時期 |
|---|---|
| 100億宣言の公表 | 時期:補助金の申請時まで(公表に通常2〜3週間) |
| 受付期間 | 時期:2026年9月29日(火)から11月12日(木)15時まで(当初の10月29日から延長) |
| 事務局の不備確認を受けられる期限 | 時期:11月5日(木)までの提出分(締切の5営業日前)。不備があれば連絡のうえ、その箇所に限って修正・再提出ができます |
| 再提出の事前連絡の期限 | 時期:11月10日(火)17時(締切の2営業日前)。連絡がなければ、最初に提出した書類で審査されます |
| 1次審査(書面)の結果 | 時期:2027年1月中旬(予定) |
| プレゼン審査(2次審査) | 時期:2027年2月15日(月)から3月5日(金)(予定) |
| 採択結果の公表 | 時期:2027年3月下旬以降(予定)。公表日は応募件数次第で前後することがあります |
| 交付申請 | 時期:採択決定日から2か月以内 |
| 公募回 | 受付期間 | 結果 |
|---|---|---|
| 1次 | 2025年5月8日から6月9日17時まで | 有効申請1,270件、採択211件(追加採択4件を含む)。倍率は約6.0倍、採択率は約16.6%(当サイト試算)。採択発表は2025年9月19日 |
| 2次 | 2026年2月24日から3月26日15時まで | 有効申請872件、採択224件(追加採択1件を含む)。倍率は約3.9倍、採択率は約25.7%(当サイト試算)。採択発表は2026年8月4日 |
| 3次 | 2026年9月29日から11月12日15時まで | 結果は2027年3月下旬以降に公表予定 |
公式の採択者一覧の本社所在地欄を当サイトで集計すると、石川県は1次が5社、2次が2社でした。北陸3県(石川・富山・福井)では、1次が10社、2次が8社です(初回公表分の集計で、追加採択に北陸の本社はありません)。
申請の流れ
GビズIDプライムを取得する
100億宣言と補助金のJグランツ申請に必要です。取得には2週間程度かかる場合があるため、最初に手続きします。
100億宣言を申請し、公表を待つ
Jグランツから、宣言の様式、申請書、決算書3期分を提出します。公表までは通常2〜3週間かかります。
見積を集め、金融機関に相談する
建物や設備の見積を複数社から取り、必要に応じて金融機関に確認書の発行を依頼します。
申請書類を作成する
投資計画書(事業計画書。様式1、40ページ以内のPDF)、別紙(様式2)、ローカルベンチマーク(様式3、財務状況を点数化する国の診断ツール)、決算書等3期分などを、数値をそろえて作成します。
Jグランツで申請する
2026年11月12日15時までに提出します。郵送やメールでは受け付けられません。11月5日までの提出分は事務局の不備確認を受けられ、指摘された箇所に限って修正・再提出ができますが、締切までに不備が解消されない書類は審査の対象外になります。
1次審査(書面)とプレゼン審査
1次審査は、要件の確認と、計画の効果や実現可能性を定量面から見る書面審査で、結果は2027年1月中旬の予定です。通過するとプレゼン審査(2027年2月15日から3月5日の予定)があり、経営者本人が説明し、質疑応答を含めて1時間程度の予定です。
採択、交付申請、交付決定
採択決定日から2か月以内に、補助金の交付を求める交付申請をし、交付決定を受けます。契約・発注は交付決定日以降です。
事業の実施、実績報告、補助金の受け取り
交付決定から24か月以内に納品、検収、支払いを終え、完了から30日を経過した日または期間の終了日の早い方までに実績報告をします。確定検査で金額が確定した後に補助金が支払われます。
事業化・賃上げ状況の報告
基準年度の終了後を初回として5年間(計6回)、毎事業年度終了後60日以内に報告します。
申請前に押さえたい点
審査は3つの柱で、配点は非公表です
審査項目は、経営力、波及効果、実現可能性の3つの柱と10の小項目です。経営力では、5年程度の成長シナリオ、売上高成長率、賃上げ計画などが問われます。波及効果では地域の仕入れの拡大や取引先への姿勢、実現可能性では実施体制、ローカルベンチマークによる財務状況、金融機関の支援姿勢が見られます。配点や順位、点数は公表されません。足下の売上高が100億円に近い企業が有利になるわけではなく、成長の目標と事業戦略の具体性が重視されると、事務局は説明しています。
2次公募の採択者の傾向
2次公募の採択者(224件)の中央値は、売上高成長率が年30.5%、売上高投資比率(売上高に対する補助事業の経費の割合)が54.7%、最新決算期の売上高が20.5億円でした。申請全体の中央値(年26.0%、38.5%、26.9億円)と比べると、採択者は成長率と投資比率が高く、売上高はやや小さい傾向がありました。合否の基準値ではなく参考情報です。3次公募では審査で見る投資額が「本補助事業に限る」ものになったため、目安として読んでください。
金融機関の確認書とプレゼン審査
金融機関による確認書は、投資計画書の確認を受けた場合に提出する書類で、必須ではありません。ただし審査項目に金融機関の支援姿勢があり、2次公募の採択者224件はすべて提出していました。プレゼン審査には代表権のある経営者の出席が必須で、役員、社会保険料を申請事業者が負担する従業員、確認書を出した金融機関の担当者は同席できます。外部のコンサルタントは、経営顧問などの形でも同席できません。
資金繰りと税務の確認
補助金は原則として精算払い(後払い)で、概算払いを前提とした投資計画は認められません。交付決定から完了までの建物や設備の代金は、自己資金や融資でいったん立て替える必要があります。固定資産の取得に充てる補助金は、他の要件を満たせば圧縮記帳(補助金を受けた年度に課税が集中しないよう、課税を先送りする税務上の処理)の適用が認められると、事務局が案内しています。経費を補填するための補助金は圧縮記帳の対象外で、適用の可否は顧問税理士などに確認してください。
他の補助金との違い
同じく100億宣言を前提にした補助金に、中堅等大規模成長投資補助金(100億宣言枠)があります。主な違いは次のとおりです(数値は、中小企業成長加速化補助金の3次公募の公募概要資料(2026年9月、出典一覧参照)に掲載された比較表によります。最新の条件は中堅等大規模成長投資補助金の公式サイトでご確認ください)。
| 項目 | 中小企業成長加速化補助金 | 中堅等大規模成長投資補助金(100億宣言枠) |
|---|---|---|
| 補助対象者 | 売上高10億円以上100億円未満の中小企業 | 従業員2,000人以下の中堅・中小企業 |
| 補助率 | 1/2 | 1/3 |
| 補助上限額 | 5億円 | 50億円 |
| 投資額の要件 | 1億円以上 | 15億円以上 |
| 賃上げ要件 | 1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上(全従業員が対象) | 同じく年平均上昇率4.5%以上(対象事業に関わる従業員等が対象) |
両方に同時に応募することはできますが、両方の補助金の交付を受けることはできず、どちらか一方に限られます。採択後の辞退の要否など具体的な取り扱いは、事務局へ確認してください。中堅等大規模成長投資補助金は別の事業で、公募の有無や時期は、それぞれの公式サイトで確認してください。
注意点
- •3次公募の受付は2026年11月12日(木)15時までです。締切後の修正、差し替え、追加は受け付けられません。
- •交付決定日より前に契約・発注した経費は、補助対象になりません。発注先への内示(発注の意思を書面や口頭で伝えること)も発注とみなされます。
- •賃上げ要件を満たせなかった場合は、未達成率に応じて返還を求められます。基準年度の給与が直近事業年度を下回った場合や、交付決定までに表明しなかった場合は全額返還です。
- •採択された場合、法人番号、採択者名、本社所在地、事業名などが公表されます。補助金の交付額も、事業の終了後に原則として公表される予定です。
- •本記事は2026年10月1日時点の3次公募要領(Ver1.4、2026年9月29日更新)および公式FAQに基づきます。申請前に、最新の公募要領をご確認ください。
よくある質問
Q4次公募(次回の公募)はありますか。
現時点で予定は公式に出ていません。公式FAQでは、令和7年度補正予算については3次公募をもって終了となる見込みとされ、今後は100億企業成長ポータルで最新情報を随時提供するとされています。今後の公募の有無は未定です。
Q採択率(倍率)はどのくらいですか。
事務局が公表しているのは倍率で、1次公募は約6.0倍(有効申請1,270件、採択211件)、2次公募は約3.9倍(有効申請872件、採択224件)です。件数から当サイトで試算した採択率は、1次が約16.6%、2次が約25.7%です。3次公募の結果は、2027年3月下旬以降に公表される予定です。
Q100億宣言はいつまでに必要ですか。
補助金の申請時までに、100億企業成長ポータルへの公表が済んでいる必要があり、申請と同時に宣言を出すことはできません。公表には通常2〜3週間かかり、不備があるとさらに長引きます。3次公募に間に合わせるには、2026年10月26日(月)までに宣言を申請するよう公式に案内されています(2026年10月9日のお知らせ。10月27日以降の申請は、締切までに公表が間に合わない可能性があるとされています)。
Q売上高が10億円未満(または100億円以上)の年があっても対象になりますか。
直近決算期の売上高、または直近3期分の売上高の平均値で判断されます。公式FAQでは、例年12〜13億円の会社が一時的に9億円に下がった場合も、この基準で確認するとされています。決算期間が12か月未満の期は対象に含めません。
Q金融機関による確認書は必須ですか。
公募要領上は、投資計画書の確認を受けた場合に提出する書類で、必須ではありません。ただし審査項目に金融機関の支援姿勢があり、2次公募の採択者224件はすべて提出していました。確認書は原則1者分のみで、ファンドによる代替はできません。
Qコンサルタントや行政書士はプレゼン審査に同席できますか。
外部の申請支援者としては同席できません。同席できるのは、経営者(代表権のある方で、出席は必須)、会社法上の役員、社会保険料を申請事業者が負担する従業員、確認書を提出した場合の金融機関の担当者などです。外部のコンサルティング会社等は、経営顧問などの形でも同席が認められず、発覚した場合は不採択や交付決定の取消になることがあります。支援者が申請事業者の役員や従業員を兼ねる場合の扱いは、事前に事務局へ確認してください。専門家の支援は、審査前の準備が中心になります。
Q中堅等大規模成長投資補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは併用できますか。
中堅等大規模成長投資補助金(100億宣言枠等)とは同時に応募できますが、両方の補助金の交付を受けることはできず、どちらか一方に限られます(採択後の取り扱いは事務局へ確認してください)。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧ものづくり補助金)など国の他の補助金については、同一または類似の内容の事業で重複して補助を受けることはできませんが、テーマや事業内容が異なり、資産や費用を区分できる場合は、別の事業として併用できる余地があります。判断に迷う場合は、事前に事務局へ相談してください。
公式情報(一次情報)
- 100億企業成長ポータル(中小企業成長加速化補助金・100億宣言)
- 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 Ver1.4(PDF)
- 中小企業成長加速化補助金(3次公募)よくあるご質問(PDF)
- 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募概要資料(PDF)
- 中小企業成長加速化補助金(3次公募)説明会資料(PDF)
- 中小企業成長加速化補助金における圧縮記帳等の適用について(PDF)
- 中小企業成長加速化補助金(2次公募)採択者の公表
- 中小企業成長加速化補助金(1次公募)採択者の公表
- 100億宣言 申請要領(PDF)
- 100億宣言 よくあるご質問(PDF)
- 中小企業庁「中小企業成長加速化補助金(3次公募)の公募要領を公開しました」
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
関連する補助金記事
同じ目的・同じ地域で活用できる制度の解説記事です。
ものづくり補助金
製造業を中心に、新商品開発や生産プロセスの改善、設備導入などを支援します。製造技術の高度化やイノベーション推進が目的です。
最大補助額:4,000万円(賃上げ達成時の上乗せあり)
中小企業新事業進出補助金
既存の事業とは異なる、新しい事業分野に進出する際に必要な経費をサポートします。事業の多角化や新規分野への挑戦を検討している企業向けです。
最大補助額:9,000万円
小松市経営モデルチェンジ支援事業
小松市内の中小企業者等が行うデジタル化・カーボンニュートラル推進・グローバル化・事業継続力強化・新事業展開を支援する制度です。デジタル化等4メニューは上限50万円、新事業チャレンジは上限200万円まで、いずれも補助率2分の1で支援します。
デジタル化等4メニュー:上限50万円/新事業チャレンジ:上限200万円
業務改善助成金
事業場内最低賃金を引き上げながら設備投資等を行った中小企業・小規模事業者に、費用の一部(最大600万円)を助成する厚生労働省の制度です。石川県では独自に最大100万円の上乗せ支援もあります。
最大助成額:600万円
高度安全機械等導入支援補助金
建設業許可を持つ中小企業が、車両系建設機械に装着する高度な安全装置を購入する際に、購入費の1/2(1台あたり50万円〜100万円)を補助する建災防・厚生労働省の制度です。
補助上限額:1台50万円〜100万円(装置の種類による)
住宅省エネ2026キャンペーン
国土交通省・経済産業省・環境省が連携する住宅の省エネ化支援策の総称です。新築の高性能住宅化からリフォーム、窓・給湯器の交換まで4つの補助事業をワンストップで利用できます。
最大補助額:125万円/戸(新築GX志向型住宅)