あきた企業立地促進助成事業補助金とは?
秋田県内に工場・拠点を新設・増設することを検討している製造業・IT系・研究開発型企業の経営者の方、こんな疑問はありませんか。「自社は補助金の対象になるのか」「補助率はどのくらいになるのか」「申請のタイミングはいつが正しいのか」——本記事では、秋田県が実施するあきた企業立地促進助成事業補助金の申請条件・補助額・申請の流れを、一次情報に基づいてわかりやすく解説します。
最終更新日: 2026.10.20|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
あきた企業立地促進助成事業補助金は、秋田県が実施する企業立地支援制度です。製造業・情報通信関連型・研究開発型企業が県内に新たに立地(新規立地)、または既存の立地企業が設備投資を行う際に、建物・機械設備などの固定資産取得費の一部を補助します。投下固定資産額に補助率を乗じた金額が交付される仕組みで、Aターン者(秋田県の移住・定住促進施策における定住者の呼称。詳細は秋田県公式サイトでご確認ください)の雇用や地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(地域未来投資促進法)の対象業種など、秋田県の政策目標に沿った取り組みを行う企業ほど補助率が高くなります。
本制度には「新規立地企業」と「既存立地企業」の2つの区分があり、それぞれで交付限度額が異なります。また、申請にあたっては事前に知事の指定を受ける必要があり、操業開始前に手続きを進めることが重要です。自社が対象となるか、補助率がどの程度になるかは投資計画の内容によって異なるため、計画段階から早めに秋田県産業集積課へ相談することをおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 内容:あきた企業立地促進助成事業補助金 |
| 実施機関 | 内容:秋田県(産業労働部 産業集積課) |
| 補助上限額 | 内容:5億円(既存立地企業は3億円) |
| 基本補助率 | 内容:投下固定資産額の5%(各加算要件を満たした場合は最大40%) |
| 最低投資要件 | 内容:操業時までの投下固定資産額が土地代を除き3億円以上 |
| 対象業種 | 内容:製造業、情報通信関連型、研究開発型、環境・エネルギー資源素材型(廃棄物等を原材料とするリサイクル製造業等) |
| 受付期間 | 内容:受付状況は秋田県産業集積課へお問い合わせください |
| 申請窓口 | 内容:秋田県産業労働部 産業集積課(TEL:018-860-2250) |
補助上限額・補助率
補助金は「基本補助率5%」に加算率を上乗せした率を、投下固定資産額(補助対象経費)に乗じて算出します。加算は2段階に分かれており、1回目加算(業種・分野による)と2回目加算(Aターン者等の雇用数・非正規雇用の正規化による)が設けられています。以下に各加算の内容をまとめます。
| 加算区分 | 加算率 | 条件 |
|---|---|---|
| 基本補助率 | 5% | 対象企業全て |
| 1回目加算① | +5% | 地域未来投資促進法の基本計画対象業種に該当する場合 |
| 1回目加算② | +5% | 環境・エネルギー資源素材分野に該当する場合 |
| 2回目加算①(Aターン等:5〜15人) | +5% | Aターン者または新卒常用雇用者の合算が5人以上15人以下 |
| 2回目加算①(Aターン等:16〜25人) | +10% | Aターン者または新卒常用雇用者の合算が16人以上25人以下 |
| 2回目加算①(Aターン等:26〜50人) | +15% | Aターン者または新卒常用雇用者の合算が26人以上50人以下 |
| 2回目加算①(Aターン等:51人以上) | +20% | Aターン者または新卒常用雇用者の合算が51人以上 |
| 2回目加算②(非正規の正規化) | +5% | 非正規雇用者5人以上を正規雇用化した場合 |
補助金は1回目加算分と2回目加算分に分けて交付されます。1回目加算(業種・分野加算)と2回目加算(雇用加算・非正規雇用者の正規化)を全て組み合わせると、補助率は最大40%(基本5%+業種加算5%+分野加算5%+雇用加算20%+非正規正規化5%)に達する可能性があります。ただし、各加算の適用可否は申請内容や実績によって審査されます。
| 区分 | 総交付限度額 | 年間交付限度額 |
|---|---|---|
| 新規立地企業 | 5億円 | 5億円 |
| 既存立地企業 | 3億円 | 3億円 |
たとえば投下固定資産額が5億円で補助率が10%(基本5%+業種加算5%)の場合、補助額は5,000万円となります。ただし、交付限度額(新規5億円・既存3億円)の範囲内での交付となります。実際の補助額は投資計画の内容・雇用計画によって変わるため、計画段階で秋田県産業集積課へ相談することをおすすめします。
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-10)
対象となる事業者・申請要件
あきた企業立地促進助成事業補助金の申請要件は次のとおりです。全ての要件を満たす必要があります。
- •対象業種であること:製造業、情報通信関連型、研究開発型、または環境・エネルギー資源素材型(廃棄物等を原材料とするリサイクル製造業等)に該当すること
- •資本金1,000万円以上であること
- •投下固定資産額が土地代を除き3億円以上であること(操業時までの計画額)
- •Aターン者(秋田県の移住・定住促進施策における定住者の呼称。詳細は秋田県公式サイトでご確認ください)または新卒常用雇用者を1名以上採用すること(操業開始後1年以内に達成)
- •知事の指定を受けること:指定申請書の提出から操業開始まで、事前に知事の指定を受ける必要があります
「既存立地企業」とは、すでに秋田県内に事業所・工場等を有する企業が同一または追加の拠点に設備投資を行う場合を指します。「新規立地企業」とは、秋田県内に初めて立地する場合が該当します。どちらの区分に当たるかによって交付限度額が変わります。
対象業種の定義について補足します。「情報通信関連型」はソフトウェア業・情報処理サービス業等、「研究開発型」は試験研究機関等が該当します。「環境・エネルギー資源素材型」には、廃棄物等を原材料として製品を製造する事業者(いわゆるリサイクル製造業)が含まれます。自社の業種が対象に該当するかどうかは、申請前に秋田県産業集積課へご確認ください。
- −資本金1,000万円未満の企業は対象外です(資本金1,000万円以上が必須要件)
- −土地代は投下固定資産額3億円の算定に含まれません
- −知事指定申請は操業開始前に行う必要があります。操業開始後は指定申請を受け付けない場合があります。なお、補助金交付申請(1回目・2回目)は操業後に行います。各申請の時期については産業集積課にご確認ください
補助対象経費
補助対象となる経費は、秋田県内の立地事業にかかる次の減価償却資産の取得費です。
- •建物およびその附属設備(寮・企業内保育所等を含む)
- •構築物
- •機械および装置
- •工具、器具および備品
- •無形固定資産(ソフトウェアのみ)
- •除雪資産(新規立地企業のみ対象)
- −土地の取得費は対象外(投下固定資産額の算定にも含まれません)
- −リースやレンタルにより調達した資産は対象外となる可能性があります
- −既存立地企業の場合、除雪資産は対象外です
受付期間・スケジュール
あきた企業立地促進助成事業補助金の受付期間については、秋田県の公式ページに具体的な締切日の記載がありません。受付状況は予算状況や年度によって変わる可能性があります。最新の受付状況は秋田県産業集積課へ直接お問い合わせください。
申請の流れとしては、まず知事の指定申請(事前審査)を経てから操業を開始する必要があります。指定申請書の提出日から操業開始日までの間が、手続き上の重要な期間となります。設備投資や工場建設の計画が具体化した段階で、できるだけ早期に秋田県産業集積課へ相談することをおすすめします。
| 手続きの段階 | 時期の目安・ポイント |
|---|---|
| 事前相談 | 時期の目安・ポイント:投資計画が具体化した段階でできるだけ早めに産業集積課へ相談 |
| 指定申請書の提出(事前審査) | 時期の目安・ポイント:操業開始前(操業開始後の申請は原則不可) |
| 知事指定の取得 | 時期の目安・ポイント:申請内容の審査後、要件を満たした場合に指定通知 |
| 設備投資・操業開始 | 時期の目安・ポイント:指定取得後に工事・設備調達を進める |
| 補助金交付申請(1回目・基本+業種加算分) | 時期の目安・ポイント:操業開始後の所定の時期 |
| 補助金交付申請(2回目・雇用加算分) | 時期の目安・ポイント:雇用実績確認後(時期は産業集積課にご確認ください) |
申請の流れ
事前相談
秋田県産業労働部 産業集積課(TEL:018-860-2250)に事前相談します。環境・エネルギー型・資源素材型の場合はクリーンエネルギー産業振興課(TEL:018-860-2283)も窓口となります。投資計画の概要・雇用計画・対象業種の該当有無を確認します。
指定申請書の作成・提出(知事指定の申請)
指定申請書に事業計画書・投資計画書等を添えて提出します。申請様式は「あきた企業立地サポートガイド!」(http://common3.pref.akita.lg.jp/kigyo-rich/)の優遇制度ページからダウンロードできます。
事前審査・知事指定
秋田県が申請内容を審査し、制度趣旨に合致するか確認します。要件を満たすと判断された場合、知事の指定通知が交付されます。
設備投資・工場建設・操業準備
知事指定を受けた後、建物建設・機械設備の調達等を進め、操業開始に向けた準備を行います。
操業開始
計画どおりに操業を開始します。Aターン者または新卒常用雇用者の採用は操業開始後1年以内に達成する必要があります。
補助金交付申請(1回目:基本補助率+業種加算分)
操業開始後、所定のタイミングで交付申請書に実績報告書・投資に関する証拠書類等を添えて提出します。審査を経て交付決定がなされた場合、基本補助率(5%)と1回目加算(業種・分野加算)分の補助金が交付されます。
補助金交付申請(2回目:雇用加算分)
Aターン者等の雇用実績が確認できた後、2回目の交付申請を行います。審査を経て交付決定がなされた場合、雇用者数に応じた加算率(+5〜20%)分の補助金が交付されます。非正規雇用者の正規化(5人以上)を行った場合も加算対象となります。
申請前に押さえておきたいポイント
知事指定は操業開始前に受けることが必須
本制度では、補助金の交付を受けるために事前に知事の指定を受けることが必要です。知事指定は操業開始前に受ける必要があるため、工場建設・設備調達の計画が具体化した早い段階で秋田県産業集積課へ相談することが重要です。
Aターン雇用を計画に組み込む
補助率の加算(2回目加算)はAターン者や新卒常用雇用者の採用実績に応じて決まります。採用人数が多いほど加算率が高くなるため(最大+20%)、雇用計画を立地計画と合わせて検討することで補助額を最大化できます。なお、2回目加算②(非正規雇用者5人以上の正規化)との併用も可能です。
「土地代は3億円の算定に含まれない」点に注意
最低投資要件である「投下固定資産額3億円以上」には土地の取得費が含まれません。工場用地の取得を計画している場合も、建物・機械設備等の投資額が単独で3億円以上であることが要件です。用地取得費を合算して3億円に達していても、それだけでは要件を満たさない点に注意が必要です。
環境・エネルギー系企業は窓口が異なる
環境・エネルギー型または資源素材型の製造業として申請する場合は、産業集積課に加えてクリーンエネルギー産業振興課(TEL:018-860-2283)も担当窓口となります。どちらの窓口に相談すべきかわからない場合は、まず産業集積課に問い合わせることをおすすめします。
注意点
- •補助金の交付を受けるには操業開始前に知事の指定を受ける必要があります。操業開始後の指定申請は原則受け付けられません。補助金交付申請(1回目・2回目)は操業後に行うもので、操業開始後も手続きを続けます。計画段階から早めに秋田県産業集積課へご相談ください。
- •交付は審査を経て交付決定がなされた場合に行われます。交付は1回目(基本補助率+業種加算)と2回目(雇用加算)の2段階です。2回目加算はAターン者等の雇用実績確認後に申請するものです。
- •補助対象経費に土地の取得費は含まれません。最低投資要件(3億円以上)の算定にも土地代は含まれません。
- •補助額・加算率・申請の可否は、事業計画の内容・投資規模・雇用計画によって異なります。対象要件を満たすかどうかの最終判断は秋田県が行います。判断に迷う場合は、計画の初期段階で秋田県産業集積課へご相談ください。
- •本記事執筆時点で受付状況を公式ページで確認できませんでした。最新の受付状況は秋田県産業集積課(TEL:018-860-2250)へ直接ご確認ください。
- •本記事は2026年10月時点の秋田県公式ページおよびあきた企業立地サポートガイド(http://common3.pref.akita.lg.jp/kigyo-rich/)に基づく内容です。制度の詳細・最新情報は必ず秋田県の公式ページでご確認ください。
よくある質問
Qあきた企業立地促進助成事業補助金の対象業種はどれですか。
製造業、情報通信関連型(ソフトウェア業・情報処理サービス業等)、研究開発型(試験研究機関等)が対象です。また、廃棄物等を原材料として製品を製造する環境・エネルギー資源素材型の製造業も含まれます。自社の業種が対象に該当するかどうかは、秋田県産業集積課にご確認ください。
Q「新規立地企業」と「既存立地企業」の違いを教えてください。
新規立地企業は秋田県内に初めて工場・事業所等を立地する企業、既存立地企業はすでに秋田県内に拠点を持ち追加投資を行う企業です。新規立地企業の交付限度額は5億円、既存立地企業は3億円と異なります。また、補助対象経費として除雪資産が含まれるのは新規立地企業のみです。
Q「Aターン者」とは誰のことですか。雇用要件を満たすには何人必要ですか。
Aターン者とは、秋田県が推進する移住・定住促進施策における定住者の呼称です(秋田出身者の帰郷・県外からの移住者を含む場合があります)。詳細な定義・範囲は秋田県公式サイトでご確認ください。新卒常用雇用者との合算で1名以上の採用が最低要件です(操業開始後1年以内に達成)。Aターン者等の採用人数が多いほど加算率が高くなり(5人以上で+5%、最大51人以上で+20%)、補助額を増やすことができます。
Q補助率は最大何%になりますか。加算の組み合わせを教えてください。
基本補助率5%に1回目加算(業種加算+5%、分野加算+5%)と2回目加算(雇用加算最大+20%、非正規雇用者正規化+5%)を全て組み合わせると、理論上は最大40%まで補助率が高くなります。ただし、各加算の適用には要件があり、全ての加算を同時に受けられるとは限りません。実際の補助率は申請内容・実績によって決まります。
Q投資額3億円以上という要件の算定に、土地の購入費は含まれますか。
含まれません。最低投資要件である「操業時までの投下固定資産額が3億円以上」の算定において、土地代は除かれます。工場用地の取得費がいくら高額であっても、建物・機械設備等の固定資産が単独で3億円以上に達していることが要件です。
Q補助金を受けるためのタイミングで、最も重要な点は何ですか。
操業開始前に知事の指定を受けることが最も重要です。指定申請書の提出から知事指定の取得、そして操業開始という順序を守る必要があります。知事指定は操業開始前に受けることが必要なため、計画段階で早めに秋田県産業集積課へ相談することをおすすめします。
Q自分で申請するのと、行政書士に依頼するのではどちらがよいですか。
あきた企業立地促進助成事業補助金は、指定申請・補助金交付申請(1回目・2回目)と複数の手続きがあり、事業計画書・投資計画書・雇用実績の証明書類など添付書類も多岐にわたります。また、加算区分の選択や申請タイミングの判断も重要です。書類準備の負担を軽減したい場合や、申請内容の適正を確認したい場合は、行政書士などの専門家に相談することで、手続きの不備リスクを軽減できます。
公式情報(一次情報)
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
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