能美市賑わい施設等立地促進事業補助金とは?
「新しい店舗や施設を能美市内に構えたいが、初期投資が大きくて不安」——そんな中規模以上の出店を計画する事業者のための補助金です。対象となる業種は限定的で、投資額の要件や事業継続義務など細かい条件が定められています。能美市に隣接する石川県内に事務所を構える行政書士法人が、対象者・対象経費・注意点をわかりやすく解説します。
最終更新日: 2026.08.14|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
能美市賑わい施設等立地促進事業補助金は、石川県能美市が実施する制度です。市内で新たに賑わい施設等を立地しようとする個人または法人に対し、予算の範囲内で事業に要する経費の一部を補助することにより、賑わい施設等の立地を促進し、市内の賑わいの創出及び交流人口の拡大を図り、市内の活性化に資することを目的としています。
この補助金でいう「賑わい施設等」は、交付要綱で定める特定の業種や観光施設に限定されています。詳しくは次のセクションで解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 内容:能美市賑わい施設等立地促進事業補助金 |
| 実施機関 | 内容:能美市産業交流部商工課 |
| 対象者 | 内容:対象地区内で賑わい施設等を新たに立地しようとする個人または法人で、10年以上継続して事業展開できる者 |
| 補助率 | 内容:投資額(消費税及び地方消費税を含まない額)の10% |
| 補助上限額 | 内容:2,000万円(1事業者あたり、10万円未満切り捨て) |
| 申請時期 | 内容:補助対象事業(賑わい施設等の立地)の着手前 |
| 根拠 | 内容:能美市賑わい施設等立地促進事業補助金交付要綱(平成31年3月29日告示第82号、最終改正 令和4年3月30日告示第61号) |
対象となる施設・業種
交付要綱では「賑わい施設等」を次のいずれかに該当する場合と定義しています。単に「小売業」「飲食サービス業」に分類されるだけでは対象にならない点に注意が必要です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 日本標準産業分類による業種 | 内容:卸売業のうち「飲食料品卸売業」、小売業のうち「飲食料品小売業」、宿泊業・飲食サービス業のうち「飲食店」「持ち帰り・配達・飲食サービス業」を主たる業種とする施設。いずれも施設内に飲食スペースを設けることが条件です。 |
| 観光施設 | 内容:観光施設財団抵当法第2条に定める観光施設に該当する場合 |
| その他 | 内容:市長が能美市の賑わいの創出及び若年層の交流人口の拡大につながると特に認める場合 |
一般的な物販店や卸売業全般、施設内に飲食スペースのない飲食料品店などは、この定義には含まれません。自社の業態が対象になるかどうか迷う場合は、事前に能美市商工課へご確認ください。
補助上限額・補助率
補助対象経費や補助額の考え方は、交付要綱で次のように定められています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 投資額の定義 | 内容:補助対象経費の合計額(消費税及び地方消費税を含まない額) |
| 補助率 | 内容:投資額の10% |
| 補助上限額 | 内容:2,000万円(1事業者あたり) |
| 端数処理 | 内容:算定した額に10万円未満の端数が生じたときは切り捨て |
| 対象地区 | 内容:能美市の都市計画区域内の用途地域又は開発可能区域/都市計画区域外の地区/能美市の計画で地域振興等のために土地の有効利用が示されている地区のいずれか |
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-08)
対象となる事業者・要件
交付要綱では、補助金の交付対象となる者について、対象地区内で賑わい施設等を立地しようとしている個人または法人で、次の要件をすべて満たす者としています。
- •対象地区内で賑わい施設等を新たに立地しようとする個人または法人であること
- •10年以上継続して事業展開できる者であること
- •能美市納税等に係る公平性の確保に関する条例に定める市税等を完納していること
- •許認可等が必要な業種については、既に許認可を受けているか、取得が見込まれること
- •賑わい施設等の立地に係る投資額(消費税抜き)が3,000万円以上であること
- −事業内容と重複する国・県等の補助金または助成金の交付を受けている者(市長が特に必要と認める場合を除く)
- −フランチャイズ契約またはこれに類する契約に基づく事業を行う者(観光を推進できる機能を持ち、交流人口の拡大が見込まれると市長が認めた場合を除く)
- −風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用を受けている者
- −暴力団員、または暴力団もしくは暴力団員と密接な関係を有する者
- −その他、市長が公序良俗の観点から適当でないと認める者
市税等の完納状況の確認方法や、投資額3,000万円の算定範囲など、個別の判断が必要な項目もあります。自社が対象になるかどうか迷う場合は、申請前に能美市商工課へご確認ください。
補助対象経費
交付要綱では、補助対象経費として次の費用が挙げられています。
- •土地の購入に係る費用
- •店舗等の建築工事及び設備工事に係る費用
- •新築・中古店舗等の購入に係る費用、及び賃貸借(36か月分)に係る費用
- •その他、立地に係る事業に必要な費用
- −上記のいずれにも該当しない経費(要綱に列挙されていない経費)
市長が特に必要と認めた費用は、これら以外でも対象となる余地がありますが、個別の判断が必要です。賃貸借に係る申請は年度ごとの提出が必要になる点にも注意してください。対象経費に該当するかどうか不明な場合は、申請前に必ず能美市商工課へご確認ください。
受付期間・スケジュール
この補助金には、国の補助金のような年度単位の公募回や具体的な締切日の定めはありません。ただし、補助対象事業(賑わい施設等の立地)の着手前に申請書を提出する必要があります。予算の範囲内での交付となるため、早めの準備をおすすめします。
| 手続き | 時期の目安 |
|---|---|
| 交付申請 | 時期の目安:賑わい施設等の立地に係る事業(補助対象事業)の着手前に、申請書・事業計画書・認定支援機関による事業計画確認書等を能美市商工課へ提出 |
| 市の審査・交付決定 | 時期の目安:商工課が申請内容を審査し、交付を決定した場合は申請者へ通知 |
| 賃貸借に係る申請 | 時期の目安:店舗等の賃貸借を対象経費に含める場合、年度ごとに申請書を提出 |
| 実績報告 | 時期の目安:補助対象事業が完了した日から起算して1か月を経過した日、または翌年度の4月15日のいずれか早い日までに実績報告書等を提出 |
| 額の確定・請求・交付 | 時期の目安:市が実績報告を審査し補助金額を確定・通知後、補助対象者が請求書を提出し、補助金が交付される |
申請の流れ
交付申請書の提出
補助対象事業の着手前に、申請書(様式第1号)、補助対象経費内訳表、事業計画書、許認可等を必要とする場合は許可証等の写し、補助対象経費の見積書・契約書等の写し、認定経営革新等支援機関による事業計画確認書、法人は登記事項証明書の写し(個人は本人確認書類の写し)を能美市商工課へ提出します。
市の審査・交付決定
商工課が申請内容を審査し、補助金を交付すべき者と認めたときは、交付決定通知書により申請者へ通知します。市長は交付決定にあたり条件を付すことができます。
賑わい施設等の立地(工事・整備等)
交付決定後、土地の取得、店舗等の建築・設備工事、新築・中古店舗の取得や賃貸借など、事業計画に沿って賑わい施設等の整備を進めます。
営業開始
賑わい施設等を新設し、営業を開始します。この日が返還規定における「営業開始日」の起算点になります。
実績報告書の提出
補助対象事業が完了した日から1か月を経過した日、または翌年度の4月15日のいずれか早い日までに、実績報告書(様式第8号)に補助対象経費内訳表、開業したことを証明できる書類の写し(個人の場合)、補助対象経費の支払に係る領収書等の写しを添えて提出します。
市の審査・補助金額の確定
市が実績報告の内容を審査し、交付決定の内容や条件に適合すると認めたときは、補助金の額を確定し、確定通知書により通知します。
補助金請求・交付
補助金額の確定後、補助対象者が請求書(様式第10号)を提出し、市の審査を経て補助金が交付されます。
申請前に押さえておきたいポイント
10年間の事業継続が前提です
賑わい施設等の営業開始日から10年を経過する日までに事業を廃止した場合や、対象施設を事業以外の用途に使用した場合は、補助金の返還を求められることがあります。返還額は、営業開始日から5年以内の廃止は交付額の全額、5年を超え10年以内の廃止は交付額の半額が原則です。市はこの期間、事業継続の報告聴取や立入調査を行うことができます。
対象業種は限定されています
対象となるのは、飲食料品卸売業・飲食料品小売業・飲食店・持ち帰り配達飲食サービス業のうち施設内に飲食スペースを設けるもの、観光施設財団抵当法上の観光施設、または市長が特に認める施設に限られます。一般的な小売業や卸売業全般が対象になるわけではありません。
認定支援機関の確認書が必要です
申請書類には、認定経営革新等支援機関による事業計画確認書(様式第4号)が含まれます。税理士や商工会議所など認定を受けた支援機関に、事業計画の内容(10年以上の事業継続の見込み、事業の見通し・積算根拠の明確さ)を確認してもらう必要があります。
他の補助金との重複には制限があります
この補助金と事業内容が重複する国・県等の補助金や助成金の交付を受けている場合は、原則として対象外です。他の制度の利用を検討している場合は、重複の可否について事前に能美市商工課へ確認することをおすすめします。
注意点
- •本記事は2026年8月時点の能美市公式ページ、および能美市賑わい施設等立地促進事業補助金交付要綱(平成31年3月29日告示第82号、最終改正 令和4年3月30日告示第61号)に基づく内容です。制度の詳細や最新の要綱・様式は、必ず能美市の公式ページでご確認ください。
- •交付要綱に具体的な申請締切日の記載はありません。予算の範囲内での交付となるため、申請を検討する場合は早めに能美市商工課へご相談ください。
- •対象となる施設・業種は交付要綱の別表で限定的に定められています。「卸売業・小売業」「宿泊業・飲食サービス業」に該当するだけでは対象とならず、飲食料品卸売業・飲食料品小売業・飲食店・持ち帰り配達飲食サービス業のうち施設内に飲食スペースを設けるものに限られる点にご注意ください。
- •営業開始日から10年以内に事業を廃止した場合や、対象施設を事業以外の用途に使用した場合は、補助金の返還を求められることがあります。
- •本記事の内容は一般的な解説であり、個別の案件が対象になるかどうかの最終判断は能美市が行います。要件に不安がある場合は、申請前に必ず能美市産業交流部商工課へご確認ください。
よくある質問
Qどんな事業者が対象になりますか。
対象地区内で新たに賑わい施設等を立地しようとする個人または法人で、10年以上継続して事業展開できる見込みがあり、市税等を完納し、投資額(消費税抜き)が3,000万円以上であることなどの要件をすべて満たす必要があります。
Q補助金額はいくらですか。
投資額(消費税及び地方消費税を含まない額)の10%で、1事業者あたり上限2,000万円です。算定した額に10万円未満の端数が生じたときは切り捨てられます。
Qどんな業種でも対象になりますか。
いいえ。交付要綱の別表で定める業種(飲食料品卸売業・飲食料品小売業・飲食店・持ち帰り配達飲食サービス業のうち施設内に飲食スペースを設けるもの)、観光施設財団抵当法上の観光施設、または市長が特に認める施設に限られます。一般的な小売業や卸売業全般が対象になるわけではありません。
Q申請の締切はいつですか。
交付要綱に具体的な締切日の定めはありません。ただし補助対象事業の着手前に申請する必要があり、予算の範囲内での交付となるため、早めに能美市商工課へ相談することをおすすめします。
Q補助対象経費にはどんなものがありますか。
土地の購入費、店舗等の建築工事及び設備工事費、新築・中古店舗の購入費及び賃貸借費(36か月分)、その他立地に必要な費用が対象です。
Q開業後すぐに事業をやめても問題ないですか。
営業開始日から10年以内に事業を廃止した場合、補助金の返還を求められることがあります。5年以内に廃止した場合は交付額の全額、5年を超え10年以内に廃止した場合は交付額の半額の返還が原則です。
Q自力で申請するのと行政書士に依頼するのはどちらがよいですか。
この制度は、対象業種の判断、投資額3,000万円以上という要件確認、認定経営革新等支援機関による事業計画確認書の取得、10年間の事業継続義務など、整理すべき要素が多い制度です。書類準備や要件確認に不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することで、申請漏れや要件誤認のリスクを軽減できます。
公式情報(一次情報)
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
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